“レンドーンを放出するべき”他媒体の報道にエ軍メディアは「もう数か月は待つべき」とフォロー「打率0割だったが、初安打の試合以降は.286に上昇」

「レンドーンを放出するべき」。シンシナティ・レッズやワシントン・ナショナルズで計16年もGMを務め、現在は『The Athletic』でコラムニストを務めるジム・ボーデン氏が4月9日の記事で、ロサンゼルス・エンジェルスのアンソニー・レンドーンに苦言を呈した。

レンドーンは2019年にナショナルズの一員として、34本塁打に加えてMLBトップの126打点をマーク。チームをワールドシリーズ優勝に導いた。しかし、7年2億4500万ドル(当時約368億円)で契約し、20年からプレーするエンジェルスでは、毎年のように故障を重ねて長期離脱。高額契約の期待に応えられず、MLBでも屈指の“不良債権”と呼ばれている。

今シーズンは現地4月10日時点で、負傷もなく試合出場している。ただ、1番で起用されているものの当たりが出ず23打数無安打。かつての打棒がすっかり影を潜めた。ボーデン氏は、故障の多さに加えて32歳という年齢もあり、エンジェルスはレンドーンを放出するべきだと主張した。

ボーデン氏の記事が話題になるなか、エンジェルス専門メディア『Halos Today』は、「チームにとって必要な選手だ」とレンドーンを擁護。根拠に挙げたのが、初安打後にレンドーンに当たりが戻ってきた点だ。
レンドーンは5日に行なわれたボストン・レッドソックス戦の4打席目に、三塁内野安打でシーズン初安打をマーク。24打席目についに生まれたシーズン初安打を、本拠地エンジェル・スタジアムの観衆はスタンディング・オベーションで称えた。

「ファンの大歓声がレンドーンを後押ししたようだ。それまで打率は0割と何も存在しなかったが、初安打を記録した試合から9日のタンパベイ・レイズ戦までをみると、21打数6安打、四球3、二塁打2、得点3。打率は.286にまで上昇した」

さらに初安打以降に限れば19打数6安打、打率.316と好成績を収めている。そんなレンドーンに対して同メディアは、「8日のレイズ戦では5打数3安打。自らのバットで打線をリードし、3度も本塁に戻ってきた。ボーデン氏は“放出するべき”と書いたが、球団は放出に動かないだろう。少なくとも、もう数か月は待つべきだ」と記し、今後のレンドーンに期待を寄せた。

構成●THE DIGEST編集部

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