自民・岸田首相、立民・泉代表が島根で直接対決へ 選挙戦最後の日曜日に選挙区入り 衆院島根1区補選

泉健太代表(左)と岸田文雄首相

 自民党総裁の岸田文雄首相と立憲民主党の泉健太代表が、衆院島根1区補選(16日告示、28日投開票)の選挙期間中の21日に島根入りすることが11日、関係者への取材でわかった。全国3補選のうち、唯一の事実上の与野党一騎打ちとなり、岸田政権の命運を握る注目区。「政治とカネ」の問題が最大の争点になる中、与野党のトップ同士が選挙戦最後の日曜日に直接対決する。

 関係者によると、岸田首相は県都で大票田の松江市内、泉代表は松江、安来両市内に入る。

 自民は新人で元中国財務局長の錦織功政氏(55)が党派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風にさらされ、議席死守に向けて党幹部らが応援に入る中、首相自らてこ入れを図る。地元は首相の選挙区入りは「逆効果だ」と難色を示していたが、首相側が地元関係者に打診し、押し切る形になった。裏金事件を受けた党の「政治刷新車座対話」も開催。県連幹部との意見交換の場を設ける予定だ。

 一方、元職で党県連代表の亀井亜紀子氏(58)を擁立する立民は、3補選のうち島根1区を「天王山」と位置付け、党幹部が次々と島根入りし、泉代表はこれまで2回応援に入った。21日は連合の芳野友子会長も応援に駆けつける。野党は亀井氏で候補者を一本化。候補者を取り下げた共産党は自主的に、国民民主党は県連レベルで支援する。

 島根1区補選は、自民の細田博之前衆院議長の死去に伴う。島根は1996年の小選挙区制導入以降、2021年衆院選まで県内全小選挙区の議席を自民が独占した「保守王国」。与野党ともに、告示前から党幹部が次々と島根入りし、総力戦を展開している。

 このほか、無所属新人の佐々木信夫氏(85)が立候補を予定している。

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