その会社ならではの独特なルールや、到底理解できない謎ルールがある会社にお勤めの方もいらっしゃるかもしれません。今回は私の友人A子さんから聞いた、朝から部下を起立させ、挨拶を強要する体育会系リーダーの話を紹介します。
体育会系のリーダー
A子の職場の男性チームリーダーは、元野球部でバリバリの体育会系。同じチームの男性陣もリーダーと同じく体育会系の人が多く、これまで体育会系とは程遠い人生を歩んできたA子にとっては、なにもかもが新鮮だったのですが……。1点だけ、どうしても理解できないことがありました。
全員起立がルールの謎
それは、リーダーが出社したら、部下は起立して「おはようございます!」と朝の挨拶をしなければならなかったこと。
挨拶をするのは社会人として当たり前のことなので理解できるのですが、なぜいちいち立たなければならないのか……。ただただ、めんどくさくてたまらなかったA子。
メール作成中でも電話中でも起立!
誰がそんなルールを決めたのか定かではありませんが、リーダーより先に出社した人がたとえメールを作成中であっても顧客と電話中であっても、リーダーが入室したら全員起立して挨拶するのが暗黙のルール。しかもやっかいなのが、起立しないとリーダーがわざわざ起立していない人の席まで近寄ってくるらしいのです。
A子は当初「社長でもないのになぜ……」と思っていましたが、周りがあたかも当たり前のように起立しているので、めんどくさいながらも自分も起立するようになりました。
ベテラン女性社員の登場で……
しかし、1人のベテラン女性社員が異動してきてからは、状況が一変。というのも、そのベテラン女性社員はリーダーが新入社員だったころの教育係だったそうで、役職こそついていないものの、とてもお世話になった方だったのです。リーダーは若いころ本当に仕事の覚えが悪かったらしく、ベテラン女性社員から何度も泣かされていたとか……。
リーダーは今でもベテラン女性社員にとても敬意を払っているため、朝の起立ルールは自然となくなりました。リーダーとは言え、ベテラン女性社員が自分が育てた社員に対して、わざわざ起立して挨拶するわけがなかったからです。
ベテラン女性社員のおかげで、理解できなかった謎の起立ルールがなくなりホッとしたA子。朝から部下に起立をさせるような昭和な体育会系リーダーが敬意を払うくらいの女性なので、よっぽどの方だったんでしょうね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:ichika.K