約40年の活躍に幕 NASA“空飛ぶ実験室”DC-8 退役、後継は元JALの777-200ER

ウォーターキャノンで出迎えられる「N817NA」

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、通称“空飛ぶ実験室“と呼ばれるダグラスDC-8型機「機体番号:N817NA」を2024年5月で退役させることを発表しました。最後の調査飛行を実施し、2024年4月1日に完了しました。

「N817NA」は1969年にアリタリア航空に納入、1986年にNASAへ移籍した機体です。これまで、大気観測や宇宙船・衛星の打ち上げ・大気圏再突入時のサポート、上空からの様々なデータ収集任務を行ってきました。過去には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルが地球に帰還する際も観測を実施。約40年に渡りNASAの“空飛ぶ実験室”として、NASAをはじめとしたさまざまな機関、科学者、研究者にデータを提供してきました。最後のミッションはアジア上空の大気観測(ASIA-AQ mission)で、NASAのアームストロング飛行研究センターに帰還後、ウォーターキャノンに出迎えられました。

退役後の「N817NA」は、アイダホ州立大学に引き渡され、航空機技術者を目指す学生に向けた教材として活用される予定です。後継機については、2021年まで日本航空で「JA704J」として活躍していたボーイング777-200ER型機が使用される予定で、新たに「N577NA」の機体番号が付与されます。

© FlyTeam にしやんさん2代目“空飛ぶ実験室”となる予定の元JAL「JA704J」

© FlyTeam タヌキさん2024年3月13日撮影:台南空港 N817NA © FlyTeam F-4さん2001年4月4日撮影:横田基地 N817NA © FlyTeam 航空奉行所さん2000年10月6日撮影:名古屋飛行場 N817NA

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