レイカーズ戦で5本の3ポイントを炸裂させたグリーン「クローズアウトしてこないのはわかっていたから、自信を持って打ったのさ」<DUNKSHOOT>

現地4月9日(日本時間10日、日付は以下同)、クリプトドットコム・アリーナで行なわれたゴールデンステイト・ウォリアーズとロサンゼルス・レイカーズによる今季4度目の対戦は、アウェーのウォリアーズが134-120で制し、直接対決の戦績を3勝1敗とした。

直近9戦で8勝目をあげたウォリアーズは、ウエスタン・カンファレンス10位の44勝35敗(勝率55.7%)とし、9位のレイカーズ(45勝35敗/勝率56.3%)とのゲーム差は0.5に。ただ、チームは最大18点差をつけた一方、ターンオーバーの数では相手の8に対して15とミスがかさみ、オフェンシブ・リバウンドも計10本を許した。試合後、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はその点の反省を忘れなかった。

「我々がいいプレーをしていたとは感じなかったが、何百万ものスリーを決めたんだ。ボールがことごとく(リングへ)入っていった。ただ、私はこのチームがシャープだとは思えなかった。多くのポゼッションで集中力を欠いていたし、噛み合っていない場面もあった。それでも、ボールは入り続けたんだ。スリーで(成功率)63%だからね。クレイジーなことだ」

指揮官が話したように、この日のウォリアーズは3ポイントが面白いように決まり、試合を通して41投中26本がリングへ吸い込まれて成功率63.4%を記録。成功率60%以上で25本以上の3ポイントを沈めたNBA史上初のチームとなった。
なかでも圧巻だったのはドレイモンド・グリーン。前半に5本をノーミスで決め、チームに勢いをもたらした。「相手はドレイモンドへ(打つように)仕向けていた。そこでいくつか決めてくれたことで、我々に最高のスタートを切らせてくれたんだ」とカーHCは振り返る。

グリーンの3ポイント成功率はキャリア平均で31.9%(平均0.8本成功)に過ぎない。それでも、ウォリアーズにはステフィン・カリー、クレイ・トンプソンという絶対に乗せてはいけない危険なシューターが2人もいることから、グリーンは相手のマークから外れるケースが多い。

今季のグリーンはここ4シーズンで最も多い平均2.4本(129本)の3ポイントを放ち、0.9本(51本)をヒット。成功率はキャリア12年目で最高の39.5%を残している。レイカーズ戦で、直近7シーズンで最多の長距離砲を決めた男は、試合後にこう語っていた。

「この数週間、自分のショットが良くないと感じていた。だけど俺はジムで練習を続けてきた。今はディフェンスの動きを見て打てている。相手が今日のレイカーズみたいに(3ポインラインで)俺から下がるなら、ためらうことなくシュートしたかった。ヤツらがクローズアウトしてこないのはわかっていたから、自信を持って打ったのさ」 5本の3ポイントで15得点と、得意の守備に加え攻撃面でもウォリアーズの勝利に大きく貢献したグリーン。さらにカリーが6本すべてを決めて23得点、トンプソンも成功率50.0%(5/10)で27得点をマークし、ビッグ3だけで計16本と3ポイントの雨を降らせた。

この3選手が揃って5本以上の3ポイントを成功させたのは、2015年12月28日のサクラメント・キングス戦以来のこと。この時もカリーが6本、トンプソンとグリーンが5本ずつ成功させて快勝した。
カリー&トンプソンの“スプラッシュ・ブラザーズ”にも劣らぬ活躍に、『TNT』のレジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)は「スプラッシュ・ファミリーのいとこ」と形容。試合後の会場インタビューで、クリス・ヘインズ記者からそのことを知らされたグリーンは、白い歯を覗かせてこう切り返していた。

「そう言ってもらえて感謝しているよ。でも彼らみたいにプレッシャーがかかるのは嫌だね。俺にはそういうプレッシャーは必要ないんだ。(自分が大当たりする)そういう夜だってある。だがそんなプレッシャーはいらない」

現地10日の結果を受けて、ウォリアーズとレイカーズはウエスト6位以内に浮上する道が途絶えた。両チームはプレーイン・トーナメントで再び激突する可能性があることから、引き続き注目していきたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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