“絶望”からの復調気配 菅沼菜々「良い意味で忘れて」リスタート

お気に入りのぬいぐるみをくり抜いてヘッドカバーにしている(撮影/玉木充)

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 事前(11日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6518yd(パー72)

昨季の年間レース11位の菅沼菜々に笑顔が戻ってきた。前週「富士フイルム・スタジオアリス」で今季5戦目にして初めて予選通過を果たした。

今季はここまでパーオン率62%(全体57位)、平均パット数(パーオンホール)は1.8387(全体53位)とショット、グリーン上ともに不振に苦しんできた。「もっと上を目指したいというか気負いすぎた。自分のハードルをあげて、ミスも許せなかった。私はフェーダーですけど、たとえばピンに寄ってもドローみたいな回転したら、どうしてドローしちゃったのかな…とか。スイングのことばかり考えていた」

日曜日までプレーできたことが、少しだけ気持ちを楽にした。「絶望というか、何をして良いのかわかんなかったし、うまくいかなさすぎて苦しかったんですが、予選通れてまずは安心しました」と、この日のプロアマ戦も笑顔で18ホールをプレーした。

パッティンググリーンで調整(撮影/玉木充)

不安障害のひとつ「広場恐怖症」を抱えていることもあり、飛行機や電車といった公共交通機関を避けて自家用車で移動する。大会最終日に埼玉から兵庫まで移動して1泊。翌月曜日(8日)に熊本に到着した。

限られた試合に万全の状態で出場するため、馬刺しなどの熊本グルメも封印する。生モノによる食あたりを警戒しての策だが、「周りの人が馬刺しを生で食べていても私は焼いて食べています。あんまり美味しくはない…」と苦笑いを浮かべた。

「まだシーズンも始まったばかり。予選落ちはいい意味で忘れて、リスタートしていきたい」。2024年シーズンもツアーの広報担当・ブライトナーとして活動するだけに上位フィニッシュを誓った。(熊本県菊陽町/玉木充)

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