「三木市管理の里道の倒木で倉庫が損壊、内部が水浸し」所有者の家族が提訴、市に100万円の賠償命令 神戸地裁判決

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 三木市内の倉庫が台風で損壊し、内部が水浸しになったのは、同市が管理する里道の倒木などが原因だったとして、倉庫の所有者の父親(75)=神戸市=が三木市などに約640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、神戸地裁であった。澤田博之裁判官は「瑕疵があったというべき」と同市の責任を一部認め、約100万円の支払いを命じた。

 判決などによると、倉庫は木造で、原告らが福祉活動で販売する商品や材料などを保管するために使用していた。しかし、2018年9月の台風21号による風雨で、倉庫に隣接する里道にあった樹木が倒れ、倉庫の屋根や樋の一部が損壊したという。

 澤田裁判官は、倒木の根元が空洞化していた点などから「危険性がそれなりに高い状態だった」と指摘。直前の台風20号を受け、原告が同市に里道の木を伐採するよう求めていたことなどを事実認定した上で、「台風21号が到来する以前に原告の要望を踏まえて里道上の樹木の状況を把握しておれば、木の状況は把握できた」とした。

 同市は判決後、「今度の対応を検討している」とコメントした。

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