キリン「生茶」大刷新 ペットボトル緑茶への先入観を変えて新しい緑茶飲料の在り方に挑む

キリンビバレッジは、大幅にリニューアルした「生茶」を4月9日から発売し、ペットボトル(PET)緑茶への先入観を変えて新しい緑茶飲料の在り方に挑む。

4月8日、取材に応じた成清敬之執行役員マーケティング部長は「新しい価値、新しい存在のPET緑茶で、お客様の期待を取り戻す」と意気込みを語る。

大刷新に踏み切った背景には、緑茶飲料市場のコモディティ化がある。

PET緑茶が市場に浸透し、おいしさというニーズが一定数満たされたことで、各ブランドの差別性が弱まったと同社は分析する。

成清部長は「PET緑茶は“濃い系”か“スタンダード”の2種類しかなく、“スタンダード”はどれも同じ、というイメージがお客様の中にできてしまっている。その結果、価格や量で選ぶ、という方が増えてしまった」と捉える。

ここで改めて緑茶飲料に関心を持ってもらうべく、2016年のフルリニューアル以来の大リニューアルに踏み込む。

キリンビバレッジの成清敬之執行役員マーケティング部長

「Life Tea」をテーマとし、日常に近い存在だからこそ、生活を彩るPET緑茶を目指す。
リニューアルに際して、同社はPET緑茶の存在を捉えなおした。

パッケージは、自分の生活に合うものを選びたいという生活者の価値観の変化に応え、スタイリッシュで持ち運びたくなるデザインに進化させた。

瓶のような流線形のボトルを採用し、持ちやすさと2gの軽量化を実現。緑茶のラベルは緑色というフレームからも脱却し、白ベースのカラーリングのラベルを採用した。

求められる緑茶像の変化にも着目。

急須でゆったりと楽しんでいた緑茶とは異なり、PET緑茶はすぐに飲んでリフレッシュできる点が求められているとみる。
そのため、これまでの「生茶」のあまみを活かしながら、微粉砕茶葉をこれまでの約3倍に増量することで、味のボリューム感を出した。

成清部長は「PET緑茶だからこそ、持ち運んだりデスクに置いたりする。飲んだ瞬間のおいしさはもちろんのこと、目に入った時に嬉しくなることなど全てをお茶の価値として捉えた」と語る。

今後はコミュニケーションにも注力し、「生茶」本体、特にパーソナルサイズを中心に訴求していく。4月9日からは、俳優の高畑充希さん。鈴木亮平さんを起用した新TVCMを放映する。

さらに、4月2日からオープンしていた表参道のグリーンティー専門スタンド「GOOD GREEN TEA STAND」にて無料で提供していた緑茶が「生茶」であったことも明かした。

同社の飯髙宏美マーケティング部ブランド担当は「もう一度緑茶の魅力に振り向いていただきたいと思って企画した施策。敢えてブランドを隠し、和の雰囲気ではなく現代的なカフェのような佇まいにすることで、より多くのお客様に魅力を感じていただきたいと考えた」と話す。

「GOOD GREEN TEA STAND」には、4月7日までで約4300人が来店。今後は「NAMACHA GREEN TEA STAND」に名称を変更し、4月14日まで期間限定で営業する。なお、4月10日は店休日となる。

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