【広島】1―0勝ちの〝お返し〟で虎にカード勝ち越し 若武者・田村俊介が会心の適時三塁打

値千金打でヒーローになった田村俊介

初戦の〝お返し〟だ。広島は11日の阪神戦(甲子園)に1―0で勝利、2カードぶりのカード勝ち越しを決めた。

試合は8回まで両軍0―0のスコアレス。1点勝負の展開で、9回に3年目の若武者・田村俊介外野手(20)が値千金打で決めた。阪神2番手・ゲラに対し二死二塁で迎えた第4打席。3球目の155キロを捉えた一撃は前進守備を敷いていた中堅手の頭上を抜ける会心の適時三塁打。「本当に『抜けろ』という気持ちで(打球を)見ていました。自分が決めてやるんだという気持ちひとつで打席に入ってました」と均衡を破った一振りを興奮気味に振り返った。

これで昨年の日本一軍団・阪神相手に2カードぶりの勝ち越しを決めた。新井貴浩監督(47)は「接戦をモノにできるっていうのはチームに力がついてくる。それだけしびれた展開で、打席にも、守備にも、マウンドにも上がってね」と、1勝1勝のタイで迎えた一戦の1点勝負を制した試合に満足げだ。

初戦に敗れた9日には、リーグワースト・タイの4試合連続の完封負けと打線の状態が上がりきらないチームは決して本調子ではない。だが、終わってみれば、対虎3連戦を勝ち越し。「0―1負け」した9日のお返しを、3戦目で見事に決めてみせた。

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