小泉氏、秋の総裁選向け政策と政局に「風穴」 ライドシェア実現に道筋

衆院本会議場に入る小泉進次郎元環境相=11日、国会内

 自民党総裁の岸田文雄首相への支持が低迷する中、小泉進次郎元環境相(衆院11区)が政策と政局の両面で厚い壁に「風穴」を開ける重要な立ち回りを演じている。11日に衆院への設置が決まった政治改革特別委員会を巡っては6年前に構想を提唱した立場。一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「日本版ライドシェア」のサービスが今月から始まったが、超党派勉強会を率いて実現に道筋をつけた。政治改革論議では派閥から「人事とカネ」を切り離すことを訴えて自民方針に盛り込ませるなど、「政策集団」としての存続の道を残して党内政局を沈静化している。

 党内には小泉氏に対する前向きな評価が広がっている。無派閥つながりの菅義偉前首相(2区)も周囲に「本当の意味での突破力がある」との評価を明かす。報道各社の「次の総理」調査でもトップか2位をキープし、「秋の総裁選に向け目が離せない存在」(自民幹部)となってきた。

 小泉氏は党筆頭副幹事長時代の2018年、自身が主導した党内勉強会で不祥事など緊急事態への対応を審議する「特別調査会」の設置構想を当時の衆院議長や自民幹事長らに提言。党内外に反響を呼んだが、自身の入閣や新型コロナウイルス禍もあり「凍結状態」(党関係者)に。今回の特別委は新設ではなく既存組織の改組となったが、国政調査権を有するなど構想を踏襲した格好で、12日には参院でも設置が決まる。

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