1200世帯に影響 青森・七戸町の断水、ほぼ2日ぶり復旧 導水管に空気、送水に不具合

断水から復旧し、蛇口から水を出せるようになった家庭=11日午後5時半ごろ、七戸町大沢地区

 青森県七戸町の1200世帯で発生していた断水が11日午後、ほぼ2日ぶりに復旧した。町上下水道課は、作田川の取水口に枝葉が詰まった影響で導水管に空気が入り込み、うまく水を送れなくなったのが原因とみており「今後は町民にご迷惑をかけないよう、施設の維持管理を徹底するとともに、具体的な原因をさらに調査して再発防止に臨む」としている。

 同課によると、作田川から取り込んだ水は導水管を通して同町鶴児平の七戸浄水場に送られ、浄化された上で、配水管で各家庭に送られる。9日、雨や雪解け水などの影響で枝葉が流れ込み取水口をふさいだ。枝葉は同日夕には除去されたが、一時的に詰まった影響で導水管に空気が入り込み、浄水場まで水を送れなくなったという。同課の担当者は「導水管は高低差を利用した水圧で水を通しているが、空気が入ると流れが阻害される」と説明した。

 同日午後4時半に一部地域で断水が発生、深夜までに旧七戸町側の1200世帯に拡大した。町は10日夕に導水管の空気を抜く復旧作業を実施。同日夜から11日朝にかけては配水管に水を通す作業を行い、水質調査などを経て断水を解除した。

 11日午後3時半ごろには大沢地区など一部を除いて復旧、同4時半には全面復旧した。2日連続で臨時休校していた七戸小学校と七戸中学校は12日再開。町総合福祉センター「ゆうずらんど」も営業を再開する。

 町は、11日も7カ所に給水所を設置。防災無線や交流サイト(SNS)などで町民に復旧を伝えた。大沢地区の古屋敷正さん(52)は「復旧の見通しが立っていなかったので不安だったが、ようやく水が通って安心した。断水中、久しぶりにコインランドリーや近所の温泉に行った」。息子の勇和(ゆうわ)君(七戸小4年)は「やっと家のお風呂に入れるし、学校にも行ける」と喜んだ。

 町教育委員会は「入学式直後に臨時休校となり残念だったが、子どもたちには、また安心して学校生活を楽しんでほしい」とコメントした。

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