インフレ率鈍化は年内継続も、完全制御はされず=IMF専務理事

[ワシントン 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は11日、インフレ率は予想されていたより迅速に鈍化しているものの、完全に制御されたわけではないとの見解を示した。主要中央銀行の当局者に対しては政策金利の引き下げを決定する際、今後入手するデータを慎重に評価するように促した。

ゲオルギエワ氏によると、先進国の総合インフレ率は2023年第4・四半期に前年同期比2.3%上昇し、わずか1年半前に9.5%だった伸び率は鈍化した。鈍化傾向は24年も続くと予想される。

ゲオルギエワ氏はこれに伴い、主要先進国の中銀は回数や時期は異なった場合でも、今年下半期に利下げを開始する状況になるとの見方を表明。「この最終段階では、中銀が独立性を守ることが二重に重要だ」とし、政策立案者は必要になった場合には早期利下げを求める声に抵抗するように促した。

「早過ぎる緩和は新たなインフレサプライズを引き起こし、さらなる金融引き締めを必要とするかもしれない。一方、遅らせ過ぎれば経済活動に冷や水を浴びせることになりかねない」と指摘した。

ゲオルギエワ氏はIMFが来週公表する「世界経済見通し」で、米国や多くの新興市場経済が堅調なため世界経済の成長率予想をわずかながら上方修正することを明らかにした。具体的な新たな予想は示さなかった。

シンクタンクのアトランティック・カウンシル主催のイベントで発言した。

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