【中国】車載動力電池の搭載量、3月は26%増[車両]

中国自動車動力電池産業イノベーション聯盟(ABIA)が11日発表した中国の2024年3月の自動車向け動力電池の搭載量は、前年同月比25.8%増の35.0ギガワット時だった。増加は2カ月ぶり。前月比では94.6%増えた。前月比での大幅増は、前月に春節連休(旧正月連休)があった影響を受けた。

種類別では三元系が前年同月比29.7%増の11.3ギガワット時、リン酸鉄系は24.1%増の23.6ギガワット時。前月比は三元系が62.9%増、リン酸鉄系が2.1倍となった。

3月に製品が自動車に実装された電池メーカーは39社だった。前年同月からは横ばい。メーカー別の搭載量は、寧徳時代新能源科技(CATL)が全体の44.9%に当たる15.54ギガワット時で首位を維持。比亜迪(BYD)は9.28ギガワット時(シェア26.8%)だった。

3位以下は◇中創新航科技(CALB):2.31ギガワット時(6.7%)◇恵州億緯リ能(リ=金へんに里、EVEエナジー):1.81ギガワット時(5.2%)◇国軒高科:1.04ギガワット時(3.0%)——と続いた。

三元系ではCATLが67.3%のシェアを占めた。リン酸鉄系はBYDが39.3%、CATLが34.4%のシェアを占めた。

1~3月の搭載量は前年同期比29.4%増の85.2ギガワット時。三元系は47.8%増の30.9ギガワット時、リン酸鉄系は20.9%増の54.3ギガワット時だった。ナトリウムイオン電池は700キロワット時。半固体電池は769.8メガワット時で、CATLを含む2社が供給した。

■輸出は3割増

動力電池と蓄電池の3月の生産量は前年同月比39.8%増の75.8ギガワット時だった。前月比は73.8%増加。1~3月の生産量は前年同期比33.5%増の184.6ギガワット時だった。

動力電池の3月の輸出量は前年同月比33.7%増の11.9ギガワット時となった。前月比は46.0%増。1~3月は前年同期比10.5%増の28.1ギガワット時で、このうち三元系は20.7%減の14.8ギガワット時、リン酸鉄系は92.0%増の13.1ギガワット時。

動力電池と蓄電池を合わせた1~3月の輸出量は2.2%減の28.9ギガワット時。販売全体の17.2%を占めた。輸出は動力電池、蓄電池ともにCATLが群を抜いて多かった。

■充電設備931万台

電動車向け充電施設の業界団体、中国電動汽車充電基礎設施促進聯盟(EVCIPA)によると、24年1~3月の充電設備の増加数は前年同期比13.2%増の71万6,000台だった。3月末時点の充電設備の数は前年同月末比59.4%増の931万2,000台となった。

EVCIPAの会員企業を合わせた3月末時点の公共充電スタンドの設置数は290万9,000台で、3月に8万3,000台増えた。

公共充電スタンドの地域別設置数は、広東省が56万5,250台で最も多く、以下は浙江省が24万3,036台、江蘇省が23万6,738台、上海市が18万3,291台、山東省が15万3,707台と続いた。

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