【ベトナム】セメント業界、消費量減少で政府に支援要請[製造]

ベトナム・セメント協会(VNCA)はこのほど、セメントの消費量が2022年から減少し続けてセメント生産企業が苦境に陥っているとして、業界への支援策を首相府に要請した。10日付ダウトゥ電子版などが報じた。

VNCAが提出した報告書によると、23年のセメント消費量は前年比16%減の8,780万トン(うち国内5,660万トン、輸出3,120万トン)にとどまった。現在国内には61のセメント工場があり、総年産能力は1億1,700万トンに達している。

VNCAは、生産能力と消費量に大きな差があり、「破産や工場の一部を外国企業に売却するリスクを抱えている企業がある」と指摘。消費量が伸びない原因については、高速道路建設でのセメント使用が限定的であることや不動産市場の低迷、燃料価格の高騰による生産コストの上昇、クリンカー(焼塊)に対する輸出税率の引き上げ、セメント工場に対する環境圧力などを挙げた。

VNCAはセメント業界への支援策として、高速道路の高架橋化や盛り土でのセメント使用、クリンカーに対する輸出税の撤廃、セメント企業への融資に対する返済猶予や金利引き下げ、セメント分野への外国企業の投資抑制などの措置を政府に要請した。

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