アンブロ、新しいエキシビションは「イギリスらしさ」のコンセプトを見直すもの

アンブロの新しいエキシビションは、「イギリスらしさ」のコンセプトがいかに「絶えず見直されているか」を示すものとなるようだ。

ナイキのデザインによるユーロ2024イングランド代表のユニフォームが、伝統的な赤と白のセントジョージ・クロスから多色のものに変わり物議を醸しているなか、アンブロは、ウェストミンスター大学のアンビカ・ギャラリーで開催される「アンブロ100:スポーツウェアx ファッション」で、マンチェスターを拠点とする同スポーツブランドの発展の物語を伝える。

同ブランドは1954年から2012年の大半の期間、イングランド代表の公式ユニフォームを手掛けており、レコードジャケットのデザインで知られるグラフィック デザイナー 、ピーター・サヴィルが2011年にデザインしたものを含めたものが今回のエキシビションの中心となる。

また、着用することはなかったものの、ニュー・オーダーの『ワールド・イン・モーション』のPVで使用されたことで有名になった1990年のブルーのピクセルデザインも展示されるそうだ。

同エキシビションのキュレーター、アンドリュー・グローブ氏は一連の展示品についてガーディアン紙にこう語っている。「イギリスらしさとは何か、ということが常に見直されていることを物語っています」「例えば、イングランドの薔薇は実はチューダー朝の薔薇で、ランカスターとヨークをひとつにまとめたものです。人々は常に図像の一部を使って遊び、それを現代的なものにしています」

グローブ氏は、ナイキのセントジョージ・クロスに対する反応について、その切り替えにおける説明が不足していたことが原因だと思うとし、「(ピーター)サヴィルとは、紋章からどのように色を取り入れたか、この紫色を出すために3つの色を組み合わせたかについて話しました。それは、イギリスが本当に多様な国であるということを表しているのです」と話し、「すべてのファンに支持されるイングランド代表のユニフォームをデザインするのは、あまりにも難しいことだと思います」と続けていた。

同エキシビションは、スポーツブランドとファッションブランドのコラボレーションが、アンブロの遺産の重要な部分を占めていることも示している。

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