市貝で中学生がいじめ被害、第三者委員会が認定 校外活動で仲間外れ、試合日程を知らされず 町長が保護者に謝罪へ

市貝町

 栃木県市貝町内の中学校に通っていた生徒が、一昨年から校外活動で仲間外れなどにされ、町の第三者委員会がいじめと認定していたことが11日までに分かった。月内に入野正明(いりのまさあき)町長が保護者と面談し陳謝する予定。

 町によると、生徒は中学の部活動と並行して同じ競技の地域のスポーツ団体でも活動していたが、2年生だった2021年、チームが参加する試合の日程を知らされなかった。同団体を退会したほか、重複する選手が多い中学校の部活動も退部した。3年になっても人間関係は改善されず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとし、学校を休みがちになった。

 初動に当たる中学での校内調査が行われず、町教委が防止対策委員会を開いたが、保護者が「手法に不備がある」などと訴え町長直轄の調査委員会設置を求めた。町は弁護士や臨床心理士などからなる委員会を立ち上げ、昨年12月と今年1月に議論し、いじめがあったと認定した。生徒は23年4月、高校へと進学した。

 入野町長は町職員の時間外労働過少申告問題と合わせ、給与と賞与の一部計65万円を返納する。入野町長は「町としての責任は重いと感じている。生徒と保護者の意見や要望に耳を傾けたい」と話した。

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