似顔絵描いて被災地支援 小松市立高美術部、初の有料化 収益を義援金に

似顔絵の練習を重ねる美術部員=小松市立高

  ●「エールガーデン」会場にブース設け

 小松市立高美術部が似顔絵を描いて得た収益を被災地に寄付しようと、有料での描写に初めて挑戦する。13日、同市龍助町の松雲堂で開かれる能登半島地震の復興支援イベント「エールガーデン」(北國新聞社後援)の会場にブースを設け、料金は1人500円に設定。これまで子ども対象のイベントで似顔絵を続けてきた部員たちは、個性あふれるタッチで来場者を満足させようと練習を重ねている。

 美術部によると、子どもの似顔絵を描く取り組みは少なくとも10年以上前から続けられてきた。例年5月5日に小松市符津町のいしかわ子ども交流センター小松館で実施しており、昨年からは5月の「イチコーこどもまつり」にも出展するなど活動の場を広げてきた。

 エールガーデンでは午前10時から午後4時まで、芸術コース美術専攻生の3年生1人と2年生7人が色紙に色鉛筆や油性ペンで来場者の特徴をとらえた絵を描く。8人は、互いにモデルになって時間を計測しながら、写実的だったり、キャラクター調だったりと得意の描き方で腕を磨いている。

 部員の山村隆晟さん(2年)は「被災者の支えになれるのはうれしい。500円で満足できる作品を提供したい」と意気込んだ。画材の代金などを除いた額を北國新聞社に義援金として寄託し、被災地に贈る。

 エールガーデンは13日午前9時~午後8時に開かれる。小松市若杉町の華道家中惣恭苑(きょうえん)さん(55)を中心に有志が企画し、パンの「Bikke(ビッケ)」とイタリア料理の「ARU(アル)」、日本料理つづらなどが特別メニューを提供する。

 九谷焼作家の打田幸生さん、四代徳田八十吉さん、宮本雅夫さんの作品が並び、生け花体験もある。

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