サクラマス料理を入院患者に提供 金大附属病院 能登町で養殖、復興支援に

サクラマスを使った定食を紹介する松原教授(左)=金大附属病院

 金大附属病院は11日、能登半島地震で被災した同大能登海洋水産センター(能登町)で養殖したサクラマス「のとらうと桜」を使ったメニューを入院患者450人に提供した。能登半島地震の復興支援として、12日までは病院内のレストランで数量限定で販売し、売り上げの一部を義援金に充てる。

  ●レストランで定食限定販売

 サクラマスはタンパク質が豊富で脂質が少なく、栄養バランスに注意が必要な病院食に適しているという。入院患者向けには夕食で竜田揚げやムニエル、和風あんの3種類を用意した。院内のレストラン「SAIBI」では1日70食限定で販売しており、フライやバジルオイルステーキにした定食を提供した。

 センターは地震の津波により施設2棟で取水管や水槽に酸素を供給する設備が破損し、トラフグやニジマスなど2万6千匹以上の魚が死んだ。約1万匹いたサクラマスは被害が少なかった別の棟で養殖していたため無事だったが、出荷延期を余儀なくされ、今回は奥能登食材流通機構(能登町)で真空パックにして冷凍保存されていたサクラマスを使った。サクラマスは来年の出荷を目指す。

 センター長の松原創(はじめ)教授は「能登に思いをはせながら味わってほしい。われわれも頑張るので、今後もご支援いただきたい」と話した。

© 株式会社北國新聞社