高岡市が独自住宅補助 最大30万円 国、県の支援漏れ救済

  ●「一部損壊」修理対象に

 高岡市は、能登半島地震の液状化被害で、国、県の支援メニューで対象外となる住宅の修理について独自の支援策を打ち出す。宅地に生じた沈下や傾斜を解消する工事に最大30万円の補助金を出し、傾いたままの家に住み続けている被災者に応急修理を促す方針だ。

 富山県内の液状化被害については、耐震不十分と診断された住宅を建て替え、修理する場合、国と県の支援策を使えば「準半壊」(損傷率10~19%)以上で最大120万円が補助される。高岡市は県と協議し、県内で唯一、宅地に沈下や傾斜が生じた「一部損壊」(同10%未満)にも対象を広げている。

 ただ、この支援策は木造住宅で耐震化工事とセットで行うことが条件。今回、市が独自に打ち出す支援策では非木造住宅、耐震化工事なしも対象とする。

 一方、高岡市内では傾いたままの住宅に住み続ける被災者が少なくないとされる。従来の国・県の支援策を使って住宅の傾きを解消した場合、後々、同じ国費の公費解体などが「補助金の二重取り」となって受けられなくなるため、応急修理に二の足を踏んでいるとみられる。

 傾いた住宅で生活を続けると、健康に悪影響を及ぼす可能性があり、市として補助金を新設することで応急修理をしやすい環境整備を進める。11日発表した4月補正予算案に事業費2億1千万円を計上した。

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