【巨人】小林誠司が〝ゆとりパワー〟で値千金打 阿部体制での心境の変化を指摘する声

今季初安打で先制した小林は笑顔でガッツポーズ

バットでも魅せた。巨人が11日のヤクルト戦(神宮)で5―0と快勝し、今季初の3連勝。スタメンマスクをかぶった小林誠司捕手(34)が今季初安打となる先制適時打を放ち、勝利に貢献した。

スガコババッテリーが躍動した。先発マウンドに立った相棒・菅野は4、5回とそれぞれ得点圏に走者を進めながらも得点を許さず、6回無失点の好投。味方の援護を待つ中、女房役の小林が両軍無得点のまま迎えた6回二死二塁の3打席目に、相手先発・高橋の投じた3球目を詰まりながらもうまくレフト方向へはじき返し、値千金の一打で均衡を破った。

小林にとっては2022年以来2季ぶりの打点となり、塁上で力強いガッツポーズ。「あれが僕の精いっぱいなので。僕はもうドキドキなんですけど、(菅野)智之が引っ張ってくれて。頼りになります」と笑顔を見せた。

開幕から2戦連続でバッテリーを組んだ名コンビに対し、阿部監督も「素晴らしいよ。安心感がある。それはやっぱり大きいよ」。リードと打撃でフル回転の働きを見せた小林にも、指揮官は惜しみない称賛を送った。

今年でプロ11年目となる小林には、心の変化を指摘する声もある。あるチーム関係者は「阿部監督のもと、新体制となった中で小林にいい意味の『ゆとり』が生まれたように感じる。もともとベンチでは仲間を盛り上げるタイプの人間。今年は慌てることもなく、よりのびのびと野球に臨む余裕が出ている」と指摘。実際、5日から行われたDeNA戦(東京ドーム)のカード3連戦では敵陣のドラフト1位・度会が打席に入った際にはルーキーの特徴的なフォームをリアルタイムでモノマネし、ベンチの雰囲気を和ませる場面も見られた。

昨季の小林はベンチからチームを支える縁の下の力持ちとして、脇を固める役割に徹していた。しかしながら今季は〝ゆとりパワー〟を武器に自らグラウンドで大暴れしていく。

© 株式会社東京スポーツ新聞社