熊本・南小国町、「バイオマス産業都市」に 農水省など認定 脱化石燃料化を推進

南小国町温泉館の木質バイオマスボイラーで燃やす木材チップのタンク=4日、南小国町

 熊本県南小国町は、農林水産省や内閣府など7府省が共同で選ぶ「バイオマス産業都市」に認定された。木材チップや食品残さなど、生物由来の有機性資源を活用し、環境に優しく持続可能なまちづくりを目指す。熊本県内の自治体では初の認定。

 公募は2013年度に始まり、23年度に選ばれた南小国町と山形県西川町を含め、認定地域は103市町村になった。7府省の支援を受け、関連制度や交付金などを活用してバイオマス事業を進める。

 南小国町は13年から、製材所から出る木くずで作った固形燃料を使う、ペレットストーブの家庭や学校への普及を推進。20年は町温泉館に木質バイオマスボイラーを導入し、燃料を重油から木材チップに変えた。これらを含めた脱化石燃料化の取り組みを拡充する。

 髙橋周二町長は「熊本豪雨などを経験し、エネルギーの地域内生産の重要性を痛感した。認定を機にさらに災害に強いまちづくりを目指したい」と話した。(花木弘)

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