熊本企業の賃上げ、平均1万2660円 賃上げ率は32年ぶり4%超え 連合熊本が第1回集計

 連合熊本は8日、2024年春闘の第1回集計結果として、回答を受け取った県内53組合の平均賃上げ額は前年同期比3356円増の1万2660円(定期昇給含む)だったと発表した。賃上げ率は4・47%で前年比で1・03ポイント上昇。4%を超えるのは1992年の4・90%以来32年ぶり。

 業種別では商業流通が1万7554円(6・58%)と最も高い上昇率で、自動車部品製造・造船が1万5153円(5・0%)が続き、全体を押し上げた。1日から労働時間の上限規制が始まった交通運輸は7632円(2・96%)だったが、報告があった8組合いずれも基本給を底上げするベースアップ(ベア)の回答を受けた。

 53組合のうち、交渉が妥結したのは46組合で、全てでベアを獲得。平均で賃上げ分は前年同期比1902円増の8274円、定期昇給分は1580円増の4812円だった。

 連合熊本は「全国平均で5%を超える賃上げの流れが、県内にも伝わってきている。公正取引委員会が労務費の価格転嫁を求めるなど国の後押しも大きい」と分析。「今後本格化する地場中小企業の交渉でも賃上げにつなげていきたい」としている。

 連合熊本は24年春闘で、3%以上のベアと定期昇給分を合わせた計5%以上の賃上げを目指している。(横川千夏)

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