スペル・デルフィンの愛弟子がRIZINヘビー級ファイターを流血葬にし「もっと強くなって出直してこい!」

11日、東京都・新木場1stRINGにて全日本プロレス『NEW AGE CHRONICLE-Z 4』が開催。関根“シュレック”秀樹vsなべやかん&イマバリタオル・マスカラスのハンディキャップマッチが行われた。

『NEW AGE CHRONICLE-Z』とは、ライジングHAYATOが提唱して2023年11月から始まったキャリア10年未満の選手による若手興行シリーズ。
25歳にして7年半のキャリアを持つHAYATOは、全日本入団前からメジャー・インディーを問わず様々な団体に上がってきたことから顔が広い。HAYATOのプロデュースによって普段の全日本の大会では見ることの出来ない若手選手たちが参戦する豪華な大会シリーズとなっている。

今大会では、関根“シュレック”秀樹vsイマバリタオル・マスカラス&なべやかんのハンディキャップマッチが実施。『NEW AGE CHRONICLE-Z』だからこその豪華かつ風変わりなカードが実現した。

関根“シュレック”秀樹は、警察官を経て柔術家としてプロのリングに上がるようになり巌流島などで活躍。若かりし頃にプロレスラーを志した夢を諦めることが出来ず、盟友・佐藤光留の主催するハードヒットにて2018年7月にプロレスラーデビューも果たした。
最近ではRIZINでの活躍が知られ、ベイダーマスクを被って入場するという“プロレスラー”としての愛と誇りを以て試合に臨む姿が話題に。エモーショナルな試合内容やマイクなどが格闘技ファン・プロレスファンの心を打ち、今のシュレックは日本人ヘビー級MMA選手で最も人気の高い選手の1人になっている。

なべやかんは、2018年のベストボディ・ジャパンプロレス(BBJ)旗揚げとともにデビューし、現在は団体の至宝たるBBW無差別級王座を持つエース。153cmとプロレスラーとしては超小柄な体型ながら、かつてベンチプレスやパワーリフティングで優秀な成績を収めてきたパワーファイター。53歳を迎えた今もグッドシェイプを維持しており、年齢を感じさせない若々しさを保っている。

HAYATOと同じく愛媛プロレスに所属するタオルは、スペル・デルフィンの愛弟子。デビュー前から直々に指導を受けるばかりかコスチュームのデザインまでデルフィンが手掛けるという寵愛を受けてきた選手だ。2022年には四国統一ヘビー級王座を戴冠し、AYATOとはBBJのタッグ王座であるBBWタッグ王座も戴冠したことがあるなど愛媛におけるベストパートナーと言える。

やかんとタオルは、2人合わせて110kg。ゴングとともにダブルドロップキックで奇襲をかけるが、125kgのシュレックはビクともせず仁王立ち。
その後、シュレックは2人まとめて投げっぱなしブレーンバスターで放り捨てたり、その巨大な手で頭蓋骨を握り潰しつつ軽々とアイアンクロー・スラムで叩きつけたりと怪力無双。
しかし、やかんがコーナーから飛びついてのフランケンシュタイナーで反撃の狼煙を上げると、タオルが的確にヒザを撃ち抜くトラースキック連打で巨木を倒す。タオルがシュレックのジャーマン・スープレックスを被弾して一時は戦線離脱するも、やかんがアルゼンチン・バックブリーカーで捕らえられて大ピンチに陥ると奮起。顔面をぶち抜くミサイルキックでシュレックに流血させる大立ち回りを見せる。
最後は、やかんのラ・マヒストラルにタオルがジャックナイフ式エビ固めを合わせる2人がかりの丸め込みで辛勝。この結末に納得行かず怒り狂うシュレックだったが、2人は逃げるように退場して難を逃れた。

試合後、タオルは「シュレック、お前とはもうせんわ……デカすぎる。もっとつよなって出直してくれ」とコメントしてビシっと決めるものの、ダメージは深刻なのかふらついた足取りで去っていく。

一方、王道マット初上陸だったやかんは勝利を飾って大はしゃぎ。しかし、日本人ヘビー級MMAファイター最強格のシュレックに勝ったことについて問われると「ヤバいことになってしまった……」と正気に戻る。
シュレックが「次会ったらタダじゃおかねえ」と再戦を熱望していることを踏まえて「自身のBBW無差別級王座をかけての再戦を受けて立つか?」と問われたやかんは、引きつった笑いを浮かべながら無言で去っていった。

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