「2018年の会見で気がついた」学歴詐称報道の小池百合子都知事、“元婚約者”と呼ばれた男が語る「嘘」の瞬間

4月10日発売の月刊誌『文藝春秋』が、東京都の小池百合子都知事の元側近である小島敏郎氏の“爆弾告発”を掲載。小島氏はそのなかで、自ら小池知事の学歴詐称の隠蔽工作に加担していたと告白した。

「証言によれば、前回の知事選の直前、2020年5月に出版された『女帝 小池百合子』で学歴詐称疑惑を告発された際に、困り果てた小池知事に相談され、カイロ大学に卒業を証明する声明文を出してもらうように提案した、というのです」(週刊誌記者)

そして数日後、カイロ大学学長の署名入りの声明文が駐日エジプト大使館のFacebookに掲載され、そこには小池知事が同大学を卒業したことを証明する、とあった。これにより、学歴詐称疑惑をめぐる事態はひとまず収束、小池知事は都知事選で2期めの当選を果たしている。

小島氏の証言は、これでは終わらない。

「小池知事のブレーンの元ジャーナリストと面会した際、カイロ大学の声明は自分が書いたと打ち明けられたというのです。つまり、小池知事は声明文を捏造した疑いがあるということです。小島氏は、小池知事が率いる『都民ファーストの会』の元事務総長で、2016年に小池知事が初当選した際、都の特別顧問に就任した側近中の側近。そんな人物の証言ですから、小池知事にとって打撃は大きいでしょう」(同前)

小池知事の学歴詐称疑惑が問題とされるのは、今回が初めてではない。

当初、小池知事は「カイロ大学首席卒業」を売り物にしていた。その学歴に早くから疑問を持っていたのが、元都知事の舛添要一氏である。

「小池さんと知り合ったのはもう45年も前になりますが、当時、彼女はテレビにも出ていて、すでに有名人でした。“元婚約者”と書かれたこともありますが、それはまったくの嘘です。

あるとき、私も番組に呼ばれ、そのとき『振り袖、ピラミッドを登る』という彼女の著書をもらったんです。本には『カイロ大学首席卒業』とあった。私もフランスのパリ大学に留学した留学組ですから、よくわかりますが、アラビア語を母国語としない日本人が、カイロ大学で首席を取るなんて、すごいなと驚きました」

その後、どこかで会ったときにそのことを言うと、小池氏は笑いながら、悪びれもせずこう答えたという。

「私の学部は、学生が私ひとりだったから、首席でもあり、ドベ(ビリ)でもあるのよ」

「にわかには信じられなかったが、まあ、そんなもんかと。しかし、その後、2018年の都知事記者会見を見て、小池知事の『嘘』に気がつきました。記者からカイロ大学を首席で卒業したという経緯について質問され、『非常に生徒数も多いところでございますが、ただ、先生から、非常にいい成績だったよ、とアラビア語で言われたのは覚えております』と答えているんです。私には学生はひとりだったと言っていたのに、生徒数が多いと答えている。ああ、そういうことかと思いました」(舛添氏)

政治ジャーナリストが、今回の学歴詐称疑惑が小池知事に与えたダメージの大きさを語る。

「小池知事は当初、4月28日投開票の衆院東京15区補選に出馬して、国政復帰するとみられていました。“初の女性総理”を目指すためです。ところが、出馬を表明したのは作家の乙武洋匡(ひろただ)氏。その理由は、小池知事が親しい、自民党の二階俊博元幹事長が、次期衆院選での不出馬を表明したことで、小池氏が国政復帰しても自民党復党の目途が立たなくなったからです。

それに加えて『文藝春秋』の記事の内容を何らかの方法で知り、それが決定打となって、乙武氏の擁立を決めたのではないでしょうか。いずれにしても、今回の学歴詐称疑惑の再燃で、3選確実とみられていた7月の都知事選に黄信号が灯ったと言っていいでしょう」

小池知事に打つ手は残っているのか。

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