「強竜打線」復活?セ界を揺るがす首位・中日が強い理由を示すデータ

ⒸSPAIA

2891日ぶり単独首位、939日ぶり5連勝

プロ野球が開幕して間もないが、中日が大方の予想を覆す快進撃を見せている。4月9日のDeNA戦(横浜)に勝ち、2016年5月10日以来2891日ぶりとなる単独首位に立つと、翌10日も勝って2021年9月14日の広島戦以来939日ぶりの5連勝。まだ11試合しか消化していないとはいえ、7勝3敗1分けで貯金4としている。

元々、投手陣は強力だった。昨季もチーム防御率は優勝した阪神に次ぐリーグ2位の3.08。2022年も同2位の3.28、2021年はリーグトップの3.23だった。

それにもかかわらず、2021年が5位、22、23年と2年連続最下位に沈んだのは得点力不足が原因にほかならない。2021年のチーム総得点がリーグ最少の405、2022年が414、昨季は400得点を割り込み390得点で5位・広島(493得点)にさえ100点以上の差をつけられていた。

これではいくら投手陣が力投しても勝つのは難しい。そこで昨オフに大補強を敢行。通算300発のスラッガー・中田翔(前巨人)をはじめ、中島宏之(前巨人)、上林誠知(前ソフトバンク)、山本泰寛(前阪神)、板山祐太郎(前阪神)ら他球団から野手をかき集めた。

そのうちの一人、中田翔はここまで打率.278、2本塁打、8打点をマーク。9日のDeNA戦ではチャンスで強振せずに2打席連続右前タイムリーを放って3打点を挙げるなど、ポイントゲッターとしての役割に徹している。過去3度の打点王に輝いた強打者の面目躍如といったところだろう。

三好大倫、田中幹也、村松開人ら若手台頭

中日の今季チーム総得点はリーグトップタイの31。安打数は同2位の86、本塁打数は2位タイの5本、打率は同3位の.237と軒並み上位だ。

もちろん投手陣の強力さは変わっておらず、チーム防御率はリーグトップの1.85。投手が抑えて打線が打てば、勝利に近付くのは当然と言える。

これまで貧打に苦しんできた中日だが、少しずつ変化の兆候はあった。岡林勇希が2022年に最多安打のタイトルを獲得。昨季は2019年ドラフト1位の石川昂弥が自己最多の13本塁打、現役ドラフトでDeNAから移籍した細川成也が24本塁打と若手が台頭していた。

さらに今季はJFE西日本からドラフト6位で入団して4年目の三好大倫が1番に定着。亜細亜大からドラフト6位で入団して2年目の田中幹也が2番として起用されている。昨季98試合に出場した2年目の村松開人もここまで打率.381と元気だ。

二軍調整中の岡林勇希や石川昂弥、家庭の事情で一時帰国していたダヤン・ビシエドらが戦列に復帰すれば、さらに強力さを増すはず。2013年から11年間でBクラス10度と長期低迷にあえいできた中日から目が離せなくなってきた。

※成績は4月10日終了時点



© 株式会社グラッドキューブ