J1序盤戦でFK名手誕生? 成功率100%データ判明…パリ五輪世代MFが“中村俊輔超え”

東京Vの山田楓喜【写真:徳原隆元】

「JSTATSマンスリーレポート」の2月から3月のレポートが公開

Jリーグによりまとめられた試合データの分析を行う「JSTATSマンスリーレポート」の2月から3月のレポートが公開され、16シーズンぶりにJ1昇格を果たした東京ヴェルディが1試合平均の走行距離がトップだとされている。そして、MF山田楓喜はフリーキック(FK)の名手である元日本代表MF中村俊輔氏を超えるデータも残しているとされた。

東京Vは昨季にJ1昇格プレーオフを勝ち抜き、2008年シーズン以来のJ1を戦ってる。1993年のJリーグ初年度と翌年の王者に輝いた名門は、7試合を終えて1勝4分2敗の勝ち点7で16位。開幕戦の横浜F・マリノス戦と第2節の浦和レッズ戦では試合終了間際までリードしていたところから勝利を逃したが、開幕ダッシュに成功していてもおかしくないだけのポテンシャルを見せていた。

その力の一端となっているのが運動量のようだ。3月末の第5節までのデータでは走行距離について「東京ヴェルディが1試合平均 121.13kmでトップ」とされ、対戦相手との差を平均したデータでも2.49kmのプラスと、相手をかなり上回っている。この相手の差分で最も大きな数字を残しているのは昨季王者ヴィッセル神戸の3.16kmで、逆に最下位と苦戦する北海道コンサドーレ札幌は単純な走行距離では17位だが、この差分ではマイナス4.36kmとかなり低い数字だった。そして、走行距離のみのデータでは川崎フロンターレが最も少ない111.27kmだとされている。

そして、横浜FMとの開幕戦で右45度付近から鮮やかな直接フリーキックを決めた山田は、第4節にも直接FKを決めた。レポートによると「J1で3月までに複数の直接FKゴールを決めたのは、2011シーズン以降で4人目」だとされ、2本で並んだのは中村氏(13年、横浜FM)とDF塩谷司(14年、サンフレッチェ広島)、MF原川力(17年、サガン鳥栖)の3人だが、成功率100%は山田が初だという。

城福浩監督に率いられ、チームプレーとハードワークが印象的な東京Vは、データ上もその忠実なプレーぶりが走行距離に表れていると言えそうだ。そして、山田にはJリーグ屈指のフリーキックキッカーとして得点を量産する期待も高まる。(FOOTBALL ZONE編集部)

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