カラフルな花の苗が店頭にたくさん出回るこの時期。長く楽しめて生活に彩りを与えてくれる寄せ植えを作ってみませんか? ここでは英国園芸研究家の吉谷桂子さんに、ゼラニウムを主役とした寄せ植えを教えていただきました。
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【ゼラニウム】とは?
●フウロソウ科● 半耐寒性多年草
夏、ヨーロッパの街角を美しく飾る定番花ゼラニウム。乾燥や病害虫に強く丈夫なので、ずっと昔から愛されてきました。風通しと日当たりがよく、水はけのよい土で育てれば長く楽しめるので、初心者にもおすすめです。日本では盛夏に花が止まりますが、秋以降また開花します。
ゼラニウムには、カラーリーフ、斑入り葉、アイビー、センテッドなど豊富な種類があり、花だけでなく観葉植物としての価値もあるので、花のないときも葉が楽しませてくれます。
冬越ししたゼラニウムは、茎が伸びすぎて姿が乱れることがあります。ヨーロッパでは、冬の寒さが厳しく冬越しができないので一年草扱い。だからこそ、毎年美しいアレンジが登場するのでしょう。
冬越ししてバランスが悪くなったゼラニウムは、春に挿し芽で更新してもよいでしょう。挿し芽で育てたゼラニウムはいっそうの愛着がわきますし、それをまた新しい寄せ植えに使うこともできます。
ゼラニウムの寄せ植え① 風通しのよい室内で長く咲き続けるハンギングバスケット
ガラス張りの吹き抜けになっている、階段の壁に長年飾ってあるハンギングバスケット。よほど環境がお気に入りらしく、少しずつでも花が絶えず咲いています。
水やりは3日に一度くらい、定期的に活力液と液肥を与えています。2年に一度は新しい培養土で植えかえ、株姿を整えて、傷んだ株があれば新しいものにさしかえます。
苗の配置図
A:ゼラニウム
B:アイビーゼラニウム
C:オリヅルラン
D:ロマンドラ
E:グリーンネックレス
バスケットの大きさ/直径25㎝、高さ16㎝
ゼラニウムの寄せ植え② 高温多湿な日本で楽しむイギリスの代表的な組み合わせ
イギリスの寄せ植えでよく見かける、代表的な植物の組み合わせです。イギリスより高温多湿な日本では、風通しよく育てるのがコツ。バスケットに仕立てたり、鉢をスタンドにのせるなど、地面より少し高い場所に置いて通気性を高めましょう。
ゼラニウムは真夏に花が止まっても、秋にまた咲きだすので、株姿を整えながら長く楽しめます。
苗の配置図
A:アイビーゼラニウム ‘シビルビッキー’
B:ゼラニウム
C:ロベリア ‘テクノ ヒートアップライト ダークブルー’
D:ヘリクリサム・ペティオラレ
バスケットの大きさ/直径28㎝、高さ12㎝
撮影/川部米応
※この記事は『寄せ植えの作り方・飾り方』吉谷桂子著(主婦の友社)の記事を、WEB用に再編集したものです。
監修者
英国園芸研究家 吉谷桂子
英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。英国暮らしの経験を生かしたガーデンライフを提案。「中之条ガーデンズ」「はままつフラワーパーク」など各地の庭を手がけ、また、ガーデニングプロダクトの企画、デザインも行っている。『花の楽しみ 育て方飾り方』(主婦の友社)など著書多数。