J1快進撃の町田、今季序盤データ判明 ロングスロー戦法の影響大…リーグ平均値に“異変”

「JSTATSマンスリーレポート」が町田のデータを特集【写真:FCMZ】

「JSTATSマンスリーレポート」の2月から3月のレポートが公開

Jリーグによりまとめられた試合データの分析を行う「JSTATSマンスリーレポート」の2月から3月のレポートが公開され、J1で首位に立つFC町田ゼルビアのデータが特集されている。

町田は昨季にJ2を制して今季クラブ初のJ1を戦っている。昨季から、青森山田高校でサッカー部監督として多くの実績を残してきた黒田剛氏を監督に据えると快進撃を見せた。今季は第7節を終えて勝ち点16の首位に立っているが、このレポートでは3月末の第5節までのスタッツがまとめられている。

チームの戦術を表す象徴的なものとして、「全体でのパス本数が最も少なく、ロングパスが最も多い」というデータが挙げられた。レポートでは「FC町田ゼルビアは1試合平均パス数が308.6本とリーグで最も少ない。ロングパス比率も18.6%と1位で、昨シーズンのリーグ王者であるヴィッセル神戸よりも高くなっており、割り切ったプレー選択をしている」とされている。

また、「パスの前方比率が最も高く、横(左右)比率が最も低い」、「味方パスからのアタッキングサードでの空中戦が最も多い」、「ボールロストライン(失った平均位置)が広島、神戸に次いで3番目に高い」という特色があるとされている。その象徴として、FWオ・セフンが敵陣内での空中戦に関わった回数が43回で、2位の28回を大きく超える数値だとされた。ボールを奪ったらオ・セフンを目掛けて蹴るというスタイルがデータに表れていると言えそうだ。

それに加え、町田と言えば黒田監督が青森山田高校時代から攻撃のセットプレーとして重視してきたロングスローも特徴。町田の昇格によってJ1の1試合1チーム平均のロングスロー本数は過去3シーズンと今シーズンの2~3月を比較して0.1本から0.44本へと増加。割合にすると339%の増加とされているが、そのうち町田が「ロングスロー数がリーグ全体のロングスロー数の6割以上を占める」という。そして「1シーズンのロングスロー数記録を塗り替えるペース」だとされた。

ここまでJ1は7試合を終え、他クラブも町田に対する対策を講じて試合に臨むことが増えてくるとみられるが、ボールが頭上を飛んでいくスタイルへの有効な対抗策はどのようなものなのか。快進撃がどこまで続くのかと、どのような対策が練られるのかも注目される。(FOOTBALL ZONE編集部)

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