広島発バンド「bokula.」がCDデビュー 20・21日に広島でフェス開催

アルバムに込めた思いを語り合う「bokula.」のメンバー

 昨年配信したシングルでメジャーデビューを果たした広島県出身バンドbokula.(ボクラ)は17日、念願のCDを発売する。2019年の結成から5年。CDショップで好きなアーティストの作品を手に取っていた自分たちの経験を振り返り、「家まで楽しみに持ち帰ったあの感じを体験してもらえる」と喜びを語った。

 広島市安芸区出身のボーカル兼ギターえい(22)とベースのさとぴー(24)、安佐北区出身のドラムふじいしゅんすけ(25)、福山市出身のギターかじ(22)の4人組。活動を始めるきっかけとなった音楽ジャンルがロックやパンク、ボカロとそれぞれ異なり、多彩でキャッチーなメロディーが若者らに支持されている。昨年は全国21カ所を回るツアーを成し遂げた。

 6曲入りのCD「涙 滲(にじ)むのは心の本音です.」。収録曲の「涙ばっかのヒロインさん」は、メンバー全員が一推しに挙げる。作詞作曲を担当するえいは「僕はひねくれているので、2人の世界しか見えていないカップルを『否定的に見えて肯定的に』切り取った」と振り返る。かじは「言葉が次々とやってくる聞き心地の良いメロディーで好きなんです」と語る。

二人は素晴らしい悲しみの中に入り込んで
二度と出てこない
怖いくらい
依存してしまったんです
もどかしいでも美しい欲だらけの清純ストーリーは
誰も見やしない
悲しいだけじゃ済まないし
(「涙ばっかのヒロインさん」の一節)

 新型コロナウイルス禍を経てがむしゃらにライブに挑む気持ちを歌った「高鳴り」はCD限定収録だ。えいが自身の経験を基に作ったメジャーデビュー作「最愛のゆくえ.」も収める。さとぴーは「ファンが思うロックでスピード感のあるbokula.とは違う一面を出せた大切な曲」と話す。

 活動の原動力は「広島のバンドシーンを盛り上げたい」との思い。22年から広島市のライブハウスで、交流のあるバンドを招いて音楽イベント「ASOVIVA FES」も続ける。今年も4月20、21日に南区の「BLUE LIVE 広島」で開催。ヤバイTシャツ屋さんやヤングスキニーが出演する。

 メンバー3人は今も県内在住。ふじいしゅんすけは「目標を達成するまでは広島を離れられない」。唯一上京しているえいも「魂はいつも広島にある」と力を込める。

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