ローマ、ミランとのELイタリア勢対決で先勝…マンチーニの2試合連続ゴールが決勝点に

ヨーロッパリーグ(EL)・準々決勝ファーストレグが11日に行われ、ミラン(イタリア)とローマ(イタリア)が対戦した。

今季、ミランはチャンピオンズリーグ(CL)の戦いに身を置いていたものの、ドルトムント(ドイツ)、パリ・サンジェルマン(PSG)、ニューカッスル(イングランド)と同居する“死の組”グループFを3位で終え、ELへ回ることが決まっていた。決勝トーナメントプレーオフでは、グループFを2位通過したレンヌ(フランス)を2戦合計5-3で、ラウンド16ではスラヴィア・プラハ(チェコ)を2戦合計7-3で破り、ベスト8入りを果たしていた。

一方で、昨季のELファイナリストでもあるローマは、今季はグループGに組み込まれ、スラヴィア・プラハに次ぐ2位通過となった。決勝トーナメントプレーオフでは上田綺世が所属するフェイエノールト(オランダ)と3シーズン連続で対戦し、2戦合計2-2で突入したPK戦の末に勝利。ラウンド16では三笘薫所属のブライトン(イングランド)を2戦合計4-1で破り、ここまで進んできた。

現在ミランはセリエAで2位、ローマは5位と、両チームともに上位争いを演じている。イタリアの名門同士の対決となった一戦に向けて、ミランのスターティングメンバーにはテオ・エルナンデス、ラファエル・レオン、オリヴィエ・ジルーといった面々が並んだ。一方、ローマはロレンツォ・ペッレグリーニ、パウロ・ディバラ、ロメル・ルカクらが先発に名を連ねた。

試合は立ち上がりの時間帯こそローマが押し込む場面も目立ったが、徐々にホームチームが攻撃に出るシーンを作る。9分には内側のスペースを駆け上がったダヴィデ・カラブリアが大外へ繋ぎ、クリスティアン・プリシッチが時間を作って中央へ預けると、ルベン・ロフタス・チークの落としに反応したタイアニ・ラインデルスが右足でミドルシュート。ここはGKミレ・スヴィラルに弾き出された。

対するローマは16分、敵陣右サイドでゼキ・チェリクからのパスを受けたステファン・エル・シャーラウィがスルーパスを送ると、右サイドへ流れたルカクがシンプルにマイナスへ折り返す。走り込んでいたエル・シャーラウィが右足を振ると、ディフレクションした一撃が枠を捉えたが、ここはGKマイク・メニャンの好セーブに阻まれた。

ローマはこのプレーで右コーナーキックを獲得すると、ディバラが左足で正確なボールを蹴り込む。ボックス中央でマークを振り切ったジャンルカ・マンチーニがヘディングシュートを沈め、ローマが先制に成功。マンチーニは直近のセリエAに続いて公式戦2試合連続ゴールを決めてみせた。

勢いに乗るローマは28分、自陣右サイドから敵陣までボールを持ち運んだゼキ・チェリクがシンプルにスルーパスを送ると、エル・シャーラウィがダイレクトで低弾道のボールを供給。ルカクがニアサイドへ飛び込んだが、ここはうまく合わなかった。それでも、ローマは1点をリードして前半を終えている。

後半に入ると、ミランは立ち上がりの46分に自陣からうまく攻撃を作り、敵陣右サイドから中央へ切り込んだプリシッチのパスから、ラインデルスがミドルシュートを放つも、GKスヴィラルにキャッチされる。対するローマも時間の経過とともにシュートまで持ち込む場面を増やし、ディバラやブライアン・クリスタンテらがゴールに迫ったが、追加点を挙げるまでには至らない。

終盤に差し掛かるとミランが前への勢いを強め、次々とチャンスを作っていく。75分には途中出場していたヤシン・アドリが、右サイドから意表を突くシュートを狙ったものの、ここはGKスヴィラルがビッグセーブ。87分には同じく後半からピッチに立ったサムエル・チュクウェゼが、ドリブルでボックス右を切り裂いていく。マイナスへの折り返しにジルーが合わせたものの、ここはクロスバーに嫌われた。

最後までミランはローマの牙城を崩すことはできず、試合はこのままタイムアップ。ローマがマンチーニの1点を守り切り、敵地で行われたファーストレグで先勝した。

セカンドレグは1週間後の18日、ローマのホームに移って開催される。

【スコア】
ミラン 0-1 ローマ

【得点者】
0-1 17分 ジャンルカ・マンチーニ(ローマ)

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