山下美夢有が思い出の熊本で目指す今季初V「流れにのってシェブロンに行きたい」

2季連続女王の山下美夢有。海外メジャーの前に今季初優勝といきたい(撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 事前情報◇11日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6518ヤード・パー72>

2021年にツアー初優勝を果たした熊本から絶対女王のパリ五輪を目指す戦いが本格化する。世界ランキングに基づく6月24日付の五輪ランキングで決まる代表の座。日本勢で上位2人、もしくは同ランキング15位以内を目指し、次週はポイント配分の高い今季海外メジャー第1戦の「シェブロン選手権」に出場。山下美夢有は渡米前の照準を今季初Vに合わせた。

「ショットもだいぶ良くなってきた。今週は思い切ってプレーして、その流れでシェブロンに行けたらいいなと思っています。優勝できたら自信になる。優勝して行けるのが一番です」

前週の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」は今季2度目のトップ10入りとなる5位に入った。3日間でボギーは1日1個の計3個だけ。フェアウェイキープ率は2位の88.1%、パーオン率も74.1%を記録し、開幕から「しっくりこない」と嘆き節だったショットには本来の精度が戻ってきた。今季のパーセーブ率は1位の91.6%でボギーを打たないゴルフは健在。「スタッツは悪くないけど、まだ気持ち良く振れていない。いいときと比べてまだ半分くらいの感覚」と2年連続の年間女王はまだまだ不満顔だが、それも頂点に立つ者ゆえの悩み。初Vの準備は十分すぎるほど整っている。

「コースは画像を見る程度だけど、ちょっと調べたりはしています」

今季メジャー初戦となる「シェブロン選手権」は昨年からテキサス州の「ザ・クラブ・カールトン・ウッズ」に場所を移して開催されている。帝王ジャック・ニクラス設計のコースで戦う姿もすでにイメージしている。最新の世界ランキングは日本勢3番手の25位。最上位の畑岡奈紗が19位で、2番手の古江彩佳が22位、4番手の笹生優花が26位と拮抗状態の代表争い。今季の大きな目標に掲げる「メジャー優勝」を成し遂げれば、勢力図は一気に塗り替えられる。

メジャーに向けて弾みをつけるためにも、置き土産にしたい7戦目での今季初V。「超えられるなら超えたい。まずはバーディラッシュができるようにしていきたい」。21年のツアー初優勝時にマークしたトータル14アンダーのトーナメントレコードの更新を目標に、3日間のスタートを切る。(文・臼杵孝志)

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