『ソウルフル・ワールド』は大スクリーンで見るとより楽しめる!? 監督が理由を明かす

映画『ソウルフル・ワールド』場面写真 (C)2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した感動作『インサイド・ヘッド』の続編『インサイド・ヘッド2』が8月1日に公開される。それを記念し、劇場未公開だった『ソウルフル・ワールド』が12日から公開。本作の監督を務めたピート・ドクターは、本作を劇場の大スクリーンで見るとより楽しめると語っている。

第93回アカデミー賞で長編アニメーション賞と作曲賞を受賞した本作は、“生まれる前の魂<ソウル>の世界”を舞台に、やりたいことがないソウルの女の子22番と夢をかなえたい音楽教師のジョーが冒険の中で自分だけの“人生のきらめき”に気づいていく感動の物語を、上質なジャズ音楽と共に描き出す物語。

監督は、『モンスターズ・インク』『インサイド・ヘッド』など、“もしもの世界”をアニメーションで表現した数々の感動作を世に送り出してきた天才ピート・ドクターが務めた。

そんなドクターは本作は劇場の大画面で見るとより楽しめるとコメント。「大きなスクリーンで見ると、人はより物語に没頭できると思うんだ。サウンドのクオリティーも良いし、互いに気が散ることなくみんなと見られるのも良い。ほかに何かをしながら作品を見たら、それと同じ体験はできないと思う」と語っている。

ドクターが語るように、本作において没入体験ができる要素の一つは“音楽”だ。物語を盛り上げるものの一つとしてジャズ・ミュージックを選んだドクターは「ジャズは何もない状態から価値のあるものに変えていく音楽で、それは僕らがこの映画で語るテーマと同じだと感じたんだ。『インサイド・ヘッド』の時に学んだのは、音楽はコミュニケーションの手段でもあること。だから本作でも鍵になっているんだ」とその理由を明かしている。

本作では、世界的に有名なミュージシャンのジョン・バティステが映画のためにオリジナルジャズ音楽を書き下ろすなど彼をはじめとする多くのアーティストが参加しており、本格的なジャズ・ミュージックが見る人を物語の世界に引き込む存在になっている。

もう一つの要素は、ピクサーならではの“映像美”だ。本作で描かれるのは、イマジネーションあふれる色彩で描かれる魂<ソウル>の世界と、リアルな質感たっぷりに忠実に描き出される人間の世界。本作の美しい映像には、ドクター監督同様アニメーションチームが語る“ただ没頭して、楽しんでほしい”という観客への熱い思いが込められている。最新技術を駆使してカウンセラーという“線”だけのキャラクターを作り出したり、実際のニューヨークの街並みを参考にジョーの暮らすアパートやお母さんが営む仕立て屋を細かくリアルに描き出したり、音楽監修だけでなく文化コンサルタントとしても本作に関わったジョン・バティステのピアノ演奏中の複雑な手の動きを忠実に再現したりと、アニメーションチームがさまざまな工夫を重ねたからこそ、世界的にも評価されるほどクオリティーの高いアニメーションに仕上がっているのだ。

イマジネーションあふれる世界観を、美しい映像と本格的なジャズ音楽が盛り上げる本作。ピクサー史上最も“深い”テーマで描く感動作『ソウルフル・ワールド』を是非この機会に大スクリーンで堪能してほしい。

映画『ソウルフル・ワールド』は4月12日より全国劇場公開。『インサイド・ヘッド2』は8月1日より全国劇場公開。

© ブロードメディア株式会社