要因は“メンタル”と“しょうゆ” 福山恵梨が混戦制して連覇達成

心身ともに充実。福山恵梨が逆転で連覇を達成した(撮影:GettyImages)

<フンドーキンレディース 最終日◇11日◇臼杵カントリークラブ(大分県)◇6449ヤード・パー72>

経験がモノを言った。プロ14年目の31歳・福山恵梨が5バーディ・1ボギーの「68」をマーク。トータル7アンダーで2打差を逆転し、ステップ通算5勝目を大会連覇で飾った。

序盤から目まぐるしく戦況が動いた。上位の顔ぶれも変わっていく中で、福山は落ち着いていた。「調子に乗らず、慎重にいこう」。1番バーディ発進で浮き足立つことなく、前半でスコアを2つ伸ばしたことで首位グループに加わった。

だが、好事魔多し。後半11番パー4でティショットを左に曲げて、まさかのOB。ここはなんとかボギーで耐えたが「流れが悪くなったからダメかな」と、弱気の虫が顔をのぞかせた。

それでも「楽しくラウンドしよう」と開き直り、12、13番で連続バーディ。首位タイに返り咲くと、最終18番ではピンそば60センチにつけるスーパーショットでバーディ締め。優勝を決定づけた。

福山を優勝に導いた要因は2つ。“メンタル”と“しょうゆ”だ。

「メンタルの本を何度も読んでいるんですが、その中に『どこか違うところから自分を見ているような気持ちでプレーしよう』と書かれていたので、それを心がけていました」。とりわけ、ゴルフはメンタルのスポーツと言われる。息詰まる優勝争いの最中、自らを客観視することで最終ホールのバーディにつなげた。

そしてもう一つが優勝副賞であるフンドーキンのしょうゆだ。「福岡出身なので、九州の甘いしょうゆじゃないとダメなんです。昨年、この大会で優勝して2カ月に1度の割合で送っていただいたんですけど、それがうれしくて。ぜひまた勝って送ってもらおうと心に決めていました」。これで当分、料理の味付けに困ることはない。

ステップ通算5勝目を飾ったが、あくまで福山の目標はレギュラーツアーだ。「今年はJLPGAツアーで優勝したいとずっと思っていました。(QTランク89位で)出場できる機会は少ないと思いますが、なんとかチャンスを生かしたいです」。2週後の「パナソニックオープンレディース」が今季のレギュラーツアー初戦となる予定。リランキング突破に向けて、是が非でも上位に入る構えだ。

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