京都・亀岡の古刹で味わう春の一服 茶器で感じる季節の変化 重文・三如来像前で座禅も

本堂の縁側に設けられたお茶席で抹茶や和菓子を楽しむ参加者(亀岡市宮前町・宝林寺)

 京都府丹波地域で活動する作家らが手がけた茶器で抹茶や和菓子を味わう「桜のお茶会」が、京都府亀岡市宮前町の宝林寺で開かれた。訪れた人たちは座禅で心を静めたり、季節感あふれる茶器で抹茶を味わったりして、春の訪れを五感で楽しんだ。

 茶道具を制作する作家や作品を身近に感じてもらおうと、桜の時期に合わせて昨年に始めた。本堂には丹波地域や九州を拠点とする作家6組の作品が展示され、茶会で使うことができる。
 来訪者は国の重要文化財である釈迦(しゃか)・薬師(やくし)・阿弥陀(あみだ)の三如来像(平安時代作)が安置された収蔵庫で座禅を体験。その後、本堂の縁側に設けられたお茶席へ移り、桜などが描かれた茶器で静かに抹茶を味わった。桜はちらほら花開く程度だったが、付近には色鮮やかな梅の花が咲き誇り、山あいに響くウグイスの声が春らしさを演出していた。
 大阪府豊能町から訪れた女性(70)は「日常から切り離された空間で座禅ができた。お茶席で出された器もすてきだった」とにこやかに話した。

© 株式会社京都新聞社