国内最古と判明 展示のコニュラリア化石 一関・石と賢治のミュージアム

石と賢治のミュージアムが保管・展示するコニュラリア化石(同ミュージアム提供)

 一関市東山町の石と賢治のミュージアム(菅原淳館長)が保管・展示しているコニュラリア化石が、国内唯一のデボン紀(約4億1600万年前~約3億5920万年前)の化石で、国内最古のものと判明した。同町長坂字南磐井里の通称・粘土山から七田清さん(故人)が1990年代ごろに採集した新種の化石。広島大の児子修司博士が宮沢賢治の造語「イーハトーブ」にちなんで「Paraconularia ihatovensis(パラコニュラリア・イーハトーベンシス)」と命名した。

 児子博士と東北大の永広昌之名誉教授が、2023年に同ミュージアムにあるコニュラリア2個体と直錘殻頭足類(直角石類)4個体の標本を調査。このうちコニュラリアは四角錐状の殻を持ち、先カンブリア時代末期に出現し中生代三畳紀後期に絶滅したクラゲに近い海生生物で、今回新種の化石と判明したという。

 粘土山は同町長坂の北東に位置する化石産地で、後期デボン紀の地層である鳶ケ森層が露出。三葉虫、腕足類、ウミユリの化石が多く産出しており、ウミリンゴや直角貝といった希少な化石も見つかっている。

 同ミュージアムは20日から当分の間、化石コーナーでコニュラリア2個体と直錘殻頭足類4個体を展示する。

© 岩手日日新聞社