田瀬ダムにワイン貯蔵 安定室温、熟成へ期待 管理事務所と花巻・遠野両市【岩手】

ダム堤体の監査廊にワインを運び込む酒造会社の関係者ら

 花巻市と遠野市にまたがる国土交通省直轄の田瀬ダムで、両市で造られたワインを試験的に貯蔵することになり、ダムを管理する北上川ダム統合管理事務所と両市は11日、ダムの試行的利活用に関する覚書を締結した。年間を通じて室温が11~13度と安定したダムの監査廊で、酒造4社が製造したワインを熟成させる。

 ダムを活用した産業振興、周辺地域の活性化が目的。ダムで貯蔵することでワインの付加価値を高めるとともに、ダムの名称を付けた販売、イベントやPR活動に活用してもらおうと、ダム竣工(しゅんこう)70周年の節目に合せて企画した。

 当面は花巻市のエーデルワイン、MKファームこぶし、森田建設(森田酒店)、遠野市のNPO法人遠野まごころネットが計20種類、約2400本のワインを貯蔵する予定。各市で定めた利活用計画書に基づき、市と酒造会社が調整して監査廊で貯蔵を開始する。

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