障害者プロサーファー 大磯在住 勝倉さん世界V グランドチャンピオン目指す 大磯町・二宮町・中井町

優勝の盾を持つ勝倉さん

大磯町東町在住の勝倉直道さん(60)が、3月17日から22日までオーストラリア・バイロンベイで開催された障害者サーファーの国際大会「ブラックモアズ・オーストラリアン・プロ・アダプティブ・サーフィン・チャンピオンシップ」のスタンド3の階級で優勝した。勝倉さんは「念願の金メダル。仲間におめでとうと言われた時には、思わず涙ぐんでしまった」と笑顔を見せる。

勝倉さんは29歳の時にバイク事故で大やけどを負い、足首の動く範囲が限られる障害がある。両足に可動制限のある選手などの階級「スタンド3」にショートボードで出場した。

同大会は、国際的な4大大会の一つとして知られる障害者プロサーファーの大会。5月にハワイ、6月にコスタリカ、9月にアメリカでの開催が控えている。

4大会のスコアで総合優勝すると、グランドチャンピオンに。勝倉さんは「2024年最初の大会で優勝でき、幸先良いスタート。次も優勝できればかなり確率は高くなる」と、グランドチャンピオンを目指し5月のハワイ大会を見据える。

大会前に2カ月ほど、皮膚移植のために入院していたという勝倉さん。ほとんど海に入ることができなかったというが、大会では「健常者でも難しい」と言われるほどのあちこちから押し寄せる小さな波に乗り続け、高得点を何度もたたき出した。勝倉さんは、「こればかりは経験値。高スコアを狙い、波に乗り続けることを心掛けた」と振り返る。

配信サイトに掲載されている大会動画の中には、勝倉さんのスキルに驚き、歓喜する解説の男性たちの音声が入っている。「ここまで盛り上がってくれるとうれしい。同じ階級の選手たちで切磋琢磨して技術を磨いてきた成果だと思う」と勝倉さんは照れ臭そうに笑う。「みんなそれぞれに障害があるけれど、ものすごくかっこいいサーフィンをします。地元大磯でも、もっともっと盛り上げていきたい」と意気込んだ。

勝倉さんは今後、グランドチャンピオンのほか、11月にアメリカで開催される世界大会、2028年の米・ロサンゼルスパラ五輪の出場も目指していく。

© 株式会社タウンニュース社