曙太郎さん死去 54歳、17年から香取市応援大使 市民「感謝の気持ちでいっぱい」

香取市内でのイベントで、子どもたちにサインをする曙さん=2016年3月

 大相撲で史上初の外国出身横綱となり、格闘家としても活動した元横綱曙の曙太郎(あけぼの・たろう、旧名チャド・ローウェン)さんが4月上旬に心不全のため東京都の病院で死去した。54歳だった。曙さんは2017年から香取市の「応援大使」を務めており、親交のあった市民からは「何度も地域に足を運んでくれて、感謝の気持ちでいっぱい」と別れを惜しむ声が上がった。

 香取市によると、曙さんは市町村合併で同市が誕生する前から地域福祉や教育分野で貢献してきたことから、2017年3月に第1号の応援大使に委嘱された。日本遺産に登録されている「佐原の町並み」を駆け抜ける「香取小江戸マラソン」でスターターを務めたこともある。

 市内で知的障害者のグループホームを運営するNPO法人「いぶき」の理事長、菅谷委佐雄さん(75)は「(曙さんには)地域に溶け込んで良くしてもらった。感謝の気持ちでいっぱい」と言葉を絞り出した。

 同NPOは、小中学校や老人ホームなどへの慰問活動も行っており、この取り組みに賛同した曙さんは副理事長として福祉活動に携わっていた。

 曙さんとゴルフをするなど交流があった菅谷さんは「東日本大震災の時に(曙さんが)避難所を訪問してくれたり、復興チャリティーイベントでちゃんこを振る舞ったりしてくれたことは忘れない」と振り返った。

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