「なでしこ大橋」開通、住民ら渡り初め 山形・楯山駅からアクセス向上

 山形市の風間、十文字の両地区を結び、村山高瀬川に架かる新十文字橋が11日、開通し、現地で式典が行われた。河川敷にかつて自生していた花の名前を冠し「なでしこ大橋」と命名。JR楯山駅から同大橋を通り、立谷川工業団地に抜ける市道楯山停車場立谷川線も併せて供用が始まり、天童方面へのアクセス性が向上する。

 同大橋は全長86メートル、幅16メートル。上下2車線を合わせた車道幅は9メートルで、両側に幅3.5メートルの歩道を備える。名称は地元住民から公募し、武田作夫さんの案が採用された。地元高楯中の校章のモチーフや校歌の歌詞にも使われているナデシコに由来するという。

 市都市計画道路の同市道は、同大橋を含む約400メートル区間を新たに整備した。天童方面から同駅まではこれまで同大橋から約250メートル西にある十文字橋を迂回(うかい)する必要があったが、駅前まで延伸することで仙台圏との広域交通網を強化し、観光振興による地域経済の活性化といった効果が期待される。2013年度に事業を開始し、総事業費は約14億円。

 式典には県や市、地元関係団体などから計約50人が出席した。主催者を代表し、住民でつくる楯山地区振興会の高橋正俊会長が「道路整備は地域発展に欠かせない。暮らしを豊かにする道路ネットワークの整備に取り組んでいきたい」とあいさつ。地主徹・県村山総合支庁長や佐藤孝弘市長、長谷川幸司市議会議長、大内理加・県都山形北部開発促進協議会長がそれぞれ祝辞を述べた。

 関係者がテープカットやくす玉を割った後、集まった近くの住民らが渡り初めを行った。正午に供用が始まると、一般車両が次々と橋を渡っていた。

なでしこ大橋の開通を祝って渡り初めを行う関係者=山形市

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