日本フェムテック協会のウェビナーにFYTTE編集長が登壇! フェムケア・フェムテックのこれまで&これからをトーク

By FYTTE 編集部

「FYTTEヘルスケアトレンド2024」でもトレンドワードのひとつとして「みんなのフェムトレ」が選ばれていますが、FYTTEでは2022年からフェムケア・フェムテックに注目してきました。一方、日本フェムテック協会では、2023年2月からフェムテックをテーマにした「ランチタイムウェビナー」がスタート。日本フェムテック協会理事×ゲストという対談形式のセミナーが毎週火曜12:00~12:30に開催されています。 2月13日にFYTTE編集長がゲストとして登壇し、日本フェムテック協会理事で国家資格キャリアコンサルタントの市川美和さんと「どうなる? 2024年フェムケアトレンド最前線」をテーマに対談。その内容をダイジェストで紹介します。

FYTTEでは「ヘルスケアトレンド2022」からフェムケアに

市川:「ヘルスケアトレンド2024」の中に「フェムトレ」という、私たちにとって注目のキーワードがありますね。フェムケアではなくフェムトレというところが新鮮というか、能動的な印象なのですが、この流れみたいなものがあれば教えてください。

保母:フェムテック・フェムケアは、私たちがヘルスケアトレンドを始めた3年前からすごく注目しています。2022年のヘルスケアトレンドでは、じつは「フェムケア」というシンプルな言葉だったんです。世の中的には2020年がフェムケア・フェムテック元年といわれているのですが、FYTTEの中ではまだそこまでフェムテック・フェムケアを扱っていなくて、読者もフェムケア・フェムテックという言葉を知らないという人が多かったんです。
そこで、FYTTE読者に、基礎的なところで「まずこれを意識してみましょう」と掲げたのが、このシンプルな「フェムケア」というワードでした。

市川:「ともに学んでいきましょう」というのが2021~22年ころということですね。

保母:このとき、はじめて特集テーマを立てて、何ができるかなと考えました。生理のことが快適にできたらということで、月経カップとか、吸水ショーツといったものを試してみませんかと読者に投げかけてみたのですが、それまでになかったものを使うことにまだ抵抗のある人が多くて、「月経カップなんてできるかな」とか、そういう反応だったことを思い出します。

市川:FYTTEの編集部員や保母さん自身はどうでしたか?

保母:私もまさにそうで、言葉は聞いていても、実際にはまだ何もとり入れられていませんでした。編集部員は7~8名いるのですが、よくスポーツをする1名だけが月経カップを使っていて「とても快適だから、みんなも使ったほうがいいよ」って言っていた程度です。
ほかのメンバーは「吸水ショーツがあるのは知っているけれど、まだいろいろ心配で試せないよね」といった反応だったので、本当に、読者のみなさんと一緒に自分たちも試していくという感じだったと思います。

2023年には生活の中で実践していく「リアル・フェムケア」に

市川:2023年になると徐々に変わってきた感じですか?

保母:そうですね。「ヘルスケアトレンド2023」では「リアル・フェムケア」というワードに変わりました。1年目で、フェムケアのことを学んで、女性の健康課題に対して対策をしていくことの大切さはわかったんですけれど、じゃあ実際の生活で何かやっているかというと、「何をやったらいいかわからない」という声が多かったんです。なので、「もっとリアルに、本当に自分のためになる実生活に伴ったフェムケアにしていきましょう」というところを伝えたくて「リアル・フェムケア」という言葉をつくりました。

市川:具体的にどんな企画をされたのか教えてください。

保母:やはりみなさん、身近な生理のことなどが気になっていたみたいで、アイテム紹介の記事が注目を集めました。

アイテムは本当に進化していて、吸水ショーツや月経カップ以外にも、ソフィーの「シンクロフィット」や、ショーツ型ナプキンなど、各メーカーから出ているさまざまなものを実際に編集部が試してコラムにした記事などは何万というアクセス数になりました。読者のみなさんに「ちょっと私も使ってみよう」とか、リアルに「実践したいな」と思ってもらえたんじゃないかなと思います。

ほかには、フェムテックに関わるいろいろな方にインタビューしました。性教育YouTuberのシオリーヌさんや、オンライン診療でピルのサービスを行っているmederiなど。さまざまなカテゴリーの方たちの活動内容をうかがうことで、現代社会の課題などをみなさんに感じていただきたいなと。2023年はそんな年だったと思います。

市川:2022年は世の中が変わり始めたけれど恐る恐るみたいな感じだったのが、2023年になるとFYTTEがその扉を開けて、扉の向こう側の世界を見せていったということですね。そんな2023年を経ての2024年は「みんなのフェムトレ」になりました。編集長がどんな思いを込められたのかということもぜひ教えてください。

保母 :「フェムケア」「リアル・フェムケア」と続いてきたなかで、もちろん女性の健康課題を解決するためのフェムケアだけれど、自分自身だけではダメで、周りの仲間、家族、職場の同僚など社会全体で考えていかないといけないんだなと感じるようになりました。そういったところから「みんなの」というワードになったんです。また、まだまだこれからはじめてトライすることや学ぶこともあるので、フェムケア・フェムテックの知識や経験のトレーニングというところで「フェムトレ(−ニング)」という言葉にしました。

男女問わず、社会全体でフェムケア・フェムテックというものをトレーニングして身につけて、最終的にめざすゴールは「みんなが快適に過ごす」こと。今までは「自分ごと」だったのですが、「隣の友だちはどうかな」とか、「職場の同僚や部下はどうかな」とか、周りもちょっと気にかけてあげられるような社会になるといいなという願いも込めて設定しています。

「2024年のFYTTEの取り組み」については次のページへ!

2024年、FYTTEの取り組みとは?

市川:より社会へと意識を向けていくということですね。2024年は、こういう取り組みをしていこうとか、こんな企画をやりたいとイメージされていることはありますか?

保母:例えば、かなり多くのメーカーがフェムケアに対するたくさんの商品を出してきているので、そういった企業の方にたくさん話をうかがってみたいと思っています。上司が男性だったりすると社内でフェムケア商品の企画を通すのに時間がかかったりだとか、そういった裏話も聞いているので、企業内での努力なども含めてお話を聞いていきたいなと。

それと、今年はオリンピック・パラリンピックがあるということもあるので、スポーツと生理というところですね。例えば、マラソン大会に参加するといったときにアスリートの生理の対処の仕方などは参考になると思うので、元アスリートの方にお話をうかがってみたりとか。また、更年期世代の読者も多いので、不調に対する食事やケア法を紹介する企画も考えています。

市川:女性読者のみなさんだけでなく、会社をも変えていこうという、ダブルの活動が必要なんですね。

保母:職場の、身近な上司など男性の意見を聞いてみたいというところで、座談会のようなことも考えています。男性が多い編集部と座談会をして、そこに婦人科医なども招きながら、男性は何がわからないのかを知り、私たち女性もただ「こうしてほしい」と求めるだけでなく、お互いの理解を深めるというような企画もやってみたいなと思っています。

「ヘルスケアトレンド2024」を企画して約3年。編集部やオピニオンリーダー、読者はどう変わった?

市川:編集部のみなさんは、最初はフェムケアに恐る恐るだったとのことでしたが、この3年間ほどで何か変化はありましたか?

保母:今は、生理の面でいうと吸水ショーツが人気かなと思うんですけれど、何も使ったことがないというメンバーはほとんどいません。みんないろいろトライしてみて、最終的に「私はこれ」と行きついています。「トライして、前より快適になったことを実感したものを選ぶ」というところでは、フェムケアがリアルになってきたなと感じます。

それと、20代の編集部員は、以前は友だちとお茶をしながら生理の話をすることはなかったそうなんですけれど、最近はお互いの生理の話をしたり、一緒に買い物に行って生理用品を見たりすることもあるそうで、すごく変化を感じると言っていました。そういう話を聞くと、若い人たちにもフェムケアの意識が広がってきているんだなと実感します。

市川:読者や、フェムケア・フェムテックの企画の協力者・有識者の方などとはどんな話をされていますか?

保母:例えば、ある管理栄養士さんの話では、企業の社内研修で女性の健康と食事について話をしてほしいといわれたり、講演とかセミナーでもフェムテック・フェムケアがテーマのものが増えているということでした。FYTTE読者は、以前は新しいアイテムに対して恐る恐るな感じもありましたけれど、今は積極的に「やってみたい」と手をあげてくださる人が増えてきたと思います。

市川:日本フェムテック協会に期待することなどがあったら教えてください。

保母:日本フェムテック協会にはさまざまなジャンルの方たちがいて、いろいろな切り口からお話しいただけるので心強く思っています。また、イベント「JAPAN FEMTECH SUMMIT」などで多くのみなさんに発信するなど、日本フェムテック協会ならではの企画も多いと思いますので、私たちメディアとしても勉強させていただきながら、一緒に何かできるといいのかなと思っています。ぜひよろしくお願いします。

市川:ともに女性の幸せ、ひいては社会の幸せをめざしていければと思います。今日はどうもありがとうございました。

今後の記事では、日本フェムテック協会の公式サイトで配信されたスペシャルコンテンツ「ランチタイムウェビナー」の中から、注目したいテーマをピックアップして毎月の連載企画として紹介していきます。記事とあわせて、リアル配信されているランチウェビナーも要チェックです!

【登壇者】
市川美和 日本フェムテック協会理事、国家資格キャリアコンサルタント。
保母千佳恵 FYTTE編集長。

【クレジット/協力】
一般社団法人 日本フェムテック協会 スペシャルコンテンツ
https://j-femtech.com/special_contents/

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文/小高 希久恵

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