紅白「梅バス」で街巡り 日比野克彦さんデザイン 水戸芸術館で出発式 茨城

日比野克彦さんがデザインしたラッピングバス。白梅が全体に描かれている=水戸市五軒町

東京芸大学長を務めるアーティストの日比野克彦さん(65)が、偕楽園の梅をモチーフにラッピングバスをデザインした。11日、バスの出発式が茨城県水戸市五軒町の水戸芸術館で開かれた。梅の花と枝がバスのボディー全体に描かれている。日比野さんは「『梅に乗ってきた』と想像すると、単なる移動も違う時間が過ごせる。心を動かせる」と、表現の意図を説明した。

市は市街地活性化を目指し、同館などの周辺を「MitoriO(ミトリオ)」と呼びPR。茨城交通は今回のバスを「MitoriOラッピングバス」と名付け2台を運行する。片方に白梅、もう片方には紅梅が描かれている。運行は3月15日から始まっており、来年3月まで市内を中心に那珂、茨城、大洗、城里の5市町を巡る。

この日の出発式では、バス2台の前で高橋靖水戸市長、大津亮一市議会議長、任田正史茨城交通社長、日比野さんが順にあいさつ。高橋市長は「デザインは独特のタッチ。『白と紅のバスが道で合ったら良いことがある』みたいな物語をつくりたい」と期待感を語った。

日比野さんは水戸芸術館での展覧会などを通し、同市と親交を結んでいる。2005年から、アサガオの栽培を通じて人と地域を結ぶ「明後日(あさって)朝顔プロジェクト」を続けている。12年からは、日比野さんのデザインによるラッピングバス「ハートバス」が市内を走っている。

あいさつする日比野克彦さん

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