水原容疑者、大谷MVP発表翌日に胴元から“脅迫文” 訴状で判明「大谷を見た。直接彼に聞くぞ?」

水原一平容疑者【写真:Getty Images】

米ESPNが詳細を報道

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手から1600万ドル(約24億5000万円)超を搾取した容疑で、長年通訳を務めていた水原一平容疑者が訴追されたと米スポーツ専門局「ESPN」などが一斉に報じた。司法当局が公開している訴状には、水原容疑者と賭博の胴元との間で交わされた生々しいメッセージも明かされている。2023年、大谷のMVP発表翌日にも脅迫じみた内容が送られていたことが明らかになっている。

大谷は2023年にメジャー2度目のMVPに輝いているが、受賞が発表されたのは11月16日。この翌日の17日、水原容疑者のもとには胴元から脅迫じみた内容が送られていた。「なぜ電話に出ない? 私はニューポート・ビーチにいる。(大谷が)犬の散歩をしているのを見た。返事をよこさないから、どうすれば君と連絡がとれるか彼に直接聞くぞ? すぐに電話してくれ」。もちろん、胴元が大谷と実際に接触した事実はなかったと伝えられている。

水原容疑者がギャンブルの胴元と賭博を始めたのは2021年9月。2年余りの間に総額4067万8436ドル(約62億3320万円)の損失を出したとされており、胴元へ限度額の拡張を求めるテキストメッセージを何度も送っていたようだ。2022年11月14日には「僕はスポーツ賭博が下手すぎるようだね(笑)……限度額、また広げられない? 知っての通り、返済しないことを心配する必要はないよ!!」との内容を送信したという。

訴状では、2018年に大谷が米国に移住した際、エンゼルスから給与が振り込まれる銀行口座の開設を水原容疑者が手助けしたとされている。大谷は水原容疑者に口座をコントロールする権利は与えたことはないと話したが、供述書によると、水原容疑者は大谷の日本語が話せないファイナンシャルアドバイザーと会計士に、口座へのアクセスを大谷が拒否したと偽って伝えたという。

他にも水原容疑者は大谷の名前を偽って名乗り、銀行側とやりとりしたことなども明らかになっている。訴状には告訴人であるクリス・セイモア氏の見解として「2024年3月21日、あるいはその近日にロサンゼルス国際空港にてミズハラに対談を試みたときの録音を基に、私はミズハラの声を識別した。そのうえ、口座のオーナーである被害者A(大谷)は英語を流ちょうに話さないが、電話の話者は英語を流ちょうに話していた」とも記されている。

今年3月20日、大谷の口座から違法賭博の胴元に送金されたという第一報が報道された際、水原容疑者は胴元に報道を見たか確認するメッセージを送信。胴元は「見た。でもこんなのでっち上げだ。もちろん、君は彼(大谷)から盗んでいない。これが、かばうためだということは完全理解しているよ」と返信したが、水原容疑者は「厳密に言うと、僕は彼(大谷)から盗んだんだ。もう、すべて終わりだ」と観念した内容を送信したという。

THE ANSWER編集部

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