【新NISAなど投資ブーム!?】投資をサッカーに見立てて、ポートフォリオをどうすればいいかがイメージしよう!

金融商品は「かなめ」と「守り」、「攻め」の3つに分ける

テレビなどでサッカーを観戦する際、解説者がチームの布陣について説明する場面があります。それになぞらえ、投資の布陣を考えてみると、図表1のようになるでしょう。

図表1

※筆者作成

図表1ではサッカー場(マーケット≒金融市場)で展開する選手(金融商品)の配置を、チームの主軸となる「かなめ」と、敵に攻め込まれたときに攻撃をブロックする「守り」、相手陣地で積極的に攻撃を仕掛ける「攻め」の3つに分けます。

図表1では、「かなめ」を株式型のインデックスファンド、「守り」を債券型のインデックスファンドとゴールド型のファンド、「攻め」を個別株で配置させています。

サッカーの用語でいえば、「かなめ」がボランチ(ポルトガル語で「ハンドル」を意味する言葉。守備的ミッドフィルダーのポジション。チームの「運転」を担う重要な役割を担う)、「守り」がディフェンス、「攻め(いわゆる攻撃的ミッドフィルダーも含む)」がフォワードといったところでしょうか。

また、想定する敵(対戦相手)は「売り圧力」であり、チーム(ポートフォリオ)全体で「売り圧力」という敵に相対するイメージです。売り圧力が強いときは、チーム全体を後方に下げ、守りに徹します。逆に、売り圧力が弱いときはチーム全体を押し上げ、攻勢を仕掛けます。

ここで「守りに徹する」というのは、投資において「債券型のインデックスファンドやゴールド型のファンドの配分比率を増やす」という意味です。これに対し「攻勢を仕掛ける」というのは、「収益性の高い個別銘柄などの配分を増やす」ということを意味します。

このとき、ボランチとしての「かなめ」である株式型のインデックスファンドも、売り圧力の強弱に応じ、減らしたり増やしたりします。

サテライト戦略の考え方

このように考えてみると、自分のポートフォリオをどのようにすればよいか、イメージしやすいのではないでしょうか。

このような「投資の軸を決め、マーケットの状況に合わせ「守り」と「攻め」にふさわしい金融商品を選ぶ」という考え方を、投資の世界では「サテライト戦略」といいます。具体的には、金融商品の中心軸を決め、その周りに複数の金融商品を配置させることで、分散投資を意識しながら資産配分を調整していく、というものです。

先ほどのサッカーの布陣で例えると、「かなめ」である株式型のインデックスファンドを「コア」とし、「攻め」である個別株と「守り」である債券型のインデックスファンドやゴールド型のファンドを「サテライト」として配置し、状況に応じて資産配分を調整します。

投資で最も重要なのは「分散投資」です。ポートフォリオを組むのは分散投資が目的です。ただし、上昇局面や下落局面がはっきりしているときは、分散投資の効果は薄れます。このような状況に対応するために、攻守を使い分け、調整します。

まとめ

新しいNISAが始まり、全世界株式型投資信託(いわゆる「オルカン」)やS&P500に連動する投資信託が人気を博しているようです。「オルカン一択」や「S&P500一択」といった言葉が目立ちますが、この2つはあくまでも株式型の投資信託です。つまり、株式投資しかしていないことになるため、必ずしも分散投資が効いているとはいえません。

このような状況を避けるために「分散投資」が必要といわれるわけですが、投資をサッカーに見立てて考えると、自分のポートフォリオ内で分散投資を効かせるにはどうしたらよいか、見えてくるのではないでしょうか。

執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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