ドレイモンド・グリーンが審判のダブルスタンダードに怒り「俺が誰かと接触すると牢屋にぶち込まれる」

ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが、未だ感情のコントロールに苦しんでいるのは明白だ。3月28日(現地時間27日)に敵地で開催されたオーランド・マジック戦では、試合開始からわずか約4分で退場処分。また、続く30日(同29日)のシャーロット・ホーネッツ戦でもグラント・ウィリアムズと終始激しいバトルを繰り広げ、試合終了間際にはチーム間で小競り合いが勃発し、緊張感が走った。

グリーンは試合中のいかなる時も、審判たちに注視される存在となってしまった。4月9日(同8日)のロサンゼルス・レイカーズ戦では、複数回にわたってオースティン・リーブスと衝突。第3クォーターにリーブスがレイアップを試みた際、彼の肘がグリーンの顔を直撃したように見えたが、審判は笛を吹かず。しかし、第4クォーターのゴール下でマッチアップした際には、リーブスのフロッピングと思しき行為でグリーンにファウルが与えられ、ジャッジの違いに対して激しく不服を申し立てた。

試合後、グリーンは記者たちに対して、審判団のダブルスタンダード(判定基準の違い)があると述べ、ほかのプレーヤーよりも厳しく罰せられている状況に苦言を呈した。

「俺が誰かの顔に接触すると、俺は牢屋にぶち込まれる。俺が接触されると、それは見て見ぬふりをされる。俺が誰かに息を吹きかけると、フラグラントファウルのレビューが行われるんだ」

ここ数シーズン、彼の情熱は正しく作用しなくなっているように思える。審判に詰め寄る回数は増え、選手とのもつれ合いも悪目立ち。ユスフ・ヌルキッチ(フェニックス・サンズ)に対するフレグラントファウルでは、無期限出場停止処分が下され、一時は引退が頭によぎったと語っている。

しかし、どのような選手であろうとも、ファウルコールに公平性を求める権利がある。それでも、このような前科や経歴がある限り、審判からの恩恵を受けるのは非常に困難だろう。グリーンをウォリアーズの不穏分子と考えている人は少なくなく、『ESPN』のアナリストを務めるセス・グリーンバーグ氏は「彼を起用すべきではない」とまで言い放った。

チームメートは、グリーンに対してどのような感情を抱いているのだろうか。盟友のクレイ・トンプソンはグリーンのポッドキャストに出演した際、グリーンの出場停止や退場について、率直な気持ちを吐露した。

「君はあらゆるレベルにおいて、バスケットボールの歴史上で最も偉大な勝者の1人だ。だから、君がそこにいないことで、僕らの一部が失われる。君なしで僕らは自分らしくプレーすることも、コート上で自由を手にすることもできない。結局のところ、僕らには君が必要なんだ。あの失望感や首を横に振る仕草は『ちくしょう。ドレイモンドなしでどうすればいいんだ』という気持ちに由来するものだよ。僕らは君を愛していて、とても頼りにしている。若い選手もそうだ。なぜなら、ステフ(ステフィン・カリー)と僕はリーダーだけど、君みたいにゲームについて話さない。君のようにインスピレーションを与えることもできないんだ。君がいないと、僕らは“ダブネーション”と呼べないよ」

トンプソンが言うとおり、グリーンはまぎれもなく、ウォリアーズの歯車であり、攻守の要である。だからこそ、その歯車が錆びていたり、正しくハマっていなければ、円滑に進むものも進まない。

王朝が輝きを取り戻すために唯一必要なもの。それはチームメート、ファン、そして本人さえも理解しているはずだ。

文=Meiji

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