欧米の利下げ延期、スウェーデン中銀の5月利下げにリスク=副総裁

[ストックホルム 11日 ロイター] - スウェーデン中央銀行(リクスバンク)のヤンソン副総裁は11日、米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期の見通しが後ずれした場合、リクスバンクの利下げ転換の妨げになり得るとの見解を記者団に明らかにした。

リクスバンクは3月27日発表の前回会合で主要政策金利を4.00%に据え置きつつも、次回の5月8日に利下げを開始する可能性が高いとの予想を公表していた。

スウェーデンの3月のインフレ率は4月12日に発表される。副総裁はインフレ見通しが悪化しなければ5月の利下げ転換の必要性を強調した。ただ、4月10日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を超える上昇率だったことに言及し「(リクスバンクの利下げ判断を)後押しするものではなかった」と発言した。

米CPI発表を受けてFRBが夏までに利下げ局面に転換する可能性が低下し、外国為替市場でのスウェーデンクローナの急落につながったためだ。

副総裁は米利上げ再開の議論が始まる「可能性はゼロではない」と話し、その影響でクローナが急落すれば「将来的にスウェーデンのインフレに問題が生じる恐れがある」と警戒感を示した。

ECBは11日、政策金利を市場予想通りに据え置いた一方で、今後発表される景気指標次第では利下げする可能性を示唆した。

金融市場でも織り込みが進んでいるが、リクスバンクは、米インフレ動向とFRBの政策判断がECBにどのように影響するかを注視する方針。その動きがクローナ相場を通じて、スウェーデン経済に波及する可能性があるからだ。

© ロイター