ブラウンズがRBチャッブと契約再編へ

クリーブランド・ブラウンズのニック・チャッブ【AP Photo/Sue Ogrocki】

クリーブランド・ブラウンズは、将来が不透明なスターランニングバック(RB)ニック・チャッブと契約の見直しを進めている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが現地11日(木)に情報筋の話として報じたところによると、チャッブとブラウンズが、基本給1,175万ドル(約17億9,847万円)を下げる代わりに、インセンティブでその差額を回収できる形での契約の再編成に合意したという。

2023年シーズン第2週に膝に大きなケガを負ったチャッブは、そのままシーズンを離脱し、NFLでの将来に影が落ちていた。膝の大ケガはチャッブにとって今回が初めてのことではない。しかし、28歳という年齢と、これまでの比較的長い故障歴を考えると、チャッブがプロキャリアで見せてきたボールキャリアとしてのトップクラスの能力を保持したまま復帰できるかについて、多くの人が疑問を抱いている。

チャッブは6シーズンで6,511ヤード、タッチダウンラン48回をマーク。最後の1年を除くすべてのシーズンで12試合以上に出場している。昨シーズン、チャッブを欠いたブラウンズは、2年目のジェローム・フォード、復帰したベテランのカリーム・ハント、スピードバックのピエール・ストロングをつなぎ合わせただけの不十分なバックフィールドを編成せざるを得ず、2019年シーズン以降で初めて、NFLのランヤード数トップ10から脱落した。

適切に治療するために2度の手術を必要としたACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断絶というケガからの復帰を目指すチャッブの回復状況に関して、ブラウンズは断片的であいまいな情報しか提供していない。チャッブのケガと、2024年のキャップ額が1,582万5,000ドル(約24億2,184万円)に上ることから、投資が失敗に終わることを避けるために、ブラウンズが経済的な理由で地元の英雄を手放すのではないかと懸念する声もある。しかし、ブラウンズはむしろ、チャッブに活躍次第で年俸の一部を取り戻すチャンスを与えることで、財政的なリスクを軽減しようとしている。

しかし、まずはチャッブが完全に回復し、フィールドに復帰しなければならない。昨シーズンにランニングバック陣が手薄になったことを受けて、ブラウンズは今オフシーズンに対応策を講じ、ナイヒーム・ハインズとドンタ・フォーマンを迎え入れ、すでにチャッブ、フォード、ストロング、ジョン・ケリーの4人がいるランニングバック陣を強化した。これで、今月のドラフトを前に、ブラウンズは6人のランニングバックをそろえたことになる。

チャッブが2024年に復調すれば、シーズン終了後の表彰にふさわしい見事なカムバックストーリーを築くことができる。しかし、水曜日のニュースから判断すると、ブラウンズは現時点では、チャッブがそうなるとはまだ完全には信じ切れていないようだ。

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