三浦市教委 小中学力テストの対象拡大 今年度から新プロジェクト始動 三浦市

小中学生の学力向上を図ろうと、三浦市教育委員会は今年度から「みうらっ子学力アッププロジェクト」と銘打った取り組みを開始する。小学6年生と中学3年生を対象に毎年春に行ってきた「全国学力・学習状況調査」の結果で、市の平均正答率が全国と比較して差が開いたことを鑑みた対応。小学2年生以上の児童生徒全員に学力調査を実施させるほか、教職員や保護者も一体となって課題の把握や改善に努める。

2023年度全国学力調査の平均正答率を見ると、三浦市は全国と比べて小学校の国語で12・2%、算数で7・5%、中学校の国語で7・8%、数学で7%下回った。国立教育政策研究所の報告書には「平均正答率の±5%の範囲内は同程度である」と表記されているが、いずれの教科も先の範囲を超えた。また過去3年間の結果と照らし合わせて見ても、徐々に差が広がったことが浮き彫りとなった。

こうした背景を受けて市教委は、学力向上には児童生徒本人だけでなく、教職員や保護者も含めた3者で取り組む必要があると判断。初のプロジェクトを立ち上げた。

AIドリル活用

プロジェクトでは、今年全国学力調査が行われる4月18日(木)と同時期に調査対象の小6と中3、入学したばかりの小1を除く小中学生が市独自のテストを受ける。その後、各学校で実施する個人面談などで教職員から児童生徒と保護者に成績表を配布。それぞれが強み弱みを把握した上で、学力向上の取り組みがまとまったパンフレットの配布やタブレット端末で伸ばすべき分野に合わせて個々に問題を出題する「AIドリル」も活用し、家庭・個別学習を支援する。学校側は教職員同士の研修で、情報交換や授業の見直しを図り、指導力を向上させる。

プロジェクトは単年毎に策定。検証した後、次年度以降の取り組みに生かす。市教委は「ただ点数を上げるだけでなく、子どもたち一人ひとりが自己肯定感を高め、主体的に学ぶ環境をつくることが大切」とプロジェクトの意義を述べた。

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