能登半島地震復興ソング 仲間と歌いつなぐエール 市長や市議も「個人」で参加 川崎市川崎区・川崎市幸区

多様な立場の人々が企画に賛同し、歌声をつないだ。右1列目の上から2番目が山田さん

能登半島地震の被災地にエールと寄付を届けようと、川崎市内で様々なジャンルで活躍する50数人による「KawasakiAllStars」が4月1日、復興支援ソングをリリースした。曲名は「あの日のありがとうを、誰かの希望に」。複数の配信サイトで一曲153円で販売し、販売手数料を除く全額を赤十字を通じて被災地に寄付する。

もう一度と立ち上がる時まで寄り添い奏でるよみんなで――。「あの日のありがとうを、誰かの希望に」の歌詞には、被災地へのエールがちりばめられている。

復興支援ソングプロジェクトを企画し作詞作曲を手掛けたのは、ラジオドラマ制作などマルチな活躍を続ける音楽クリエーターのナヲキングさんだ。2011年の東日本大震災の際にチャリティーソングを匿名で制作して売り上げを寄付した経験があり、今年の元日に発生した能登半島地震の被害の大きさに、2日には「支援につながるチャリティーソングを作ろう」と考えたという。

思いを届けたい

このプロジェクトに、かわさきFM内の番組「ぐるっ人川崎」を担当するメンバー10人と、川崎を拠点に活動するスポーツチームやNPO、地域アイドルや高校生バンドなど、計50人以上が歌い手として参加した。「肩書とは関係のない個人の立場で」という条件付きで、福田紀彦市長や市議会議員たちも参加している。

東日本大震災の時はナヲキングさん一人で完結したが、今回は「たくさんの人で歌いつなぐ曲にしよう」と決めていた。その理由を「一人一人の思いを届けられる形にしたかった」と語る。企画を着想してほどなく、思いを「ぐるっ人川崎」の仲間たちに共有したところ、「素晴らしい」「参加したい」など共感が広がった。仲間の一人で教育ITベンチャー代表の山田洋志さんを中心に、参加者を募集。すると1週間ほどで予想を超える賛同者が集まり、ナヲキングさんも「すごい」と驚くほどだった。

楽曲の制作は、一人一人が割り振られたパートを各自スマホで録音し、メールでナヲキングさんのもとに音源を集約した。完成したのは3月下旬。「こんなに大勢で歌いつなぐ曲を作ったのは初めて。1曲の中に様々な変化があり、思いがけない表情が生まれた」と手ごたえを語る。

「iTunesStore」など各配信サイトで9月30日まで配信中。問い合わせはメール(nawoking@gmail.com)で。

左から2人目がナヲキングさん。「ぐるっ人川崎」の仲間と

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