スラックス派?スカート派?…多様性を重視、自分らしく着こなせる制服を南さつま市が導入

市内統一型の新しいブレザーの制服を着て入場する新入生=10日、南さつま市の加世田中学校

 鹿児島県南さつま市の市立中学校と義務教育学校で統一型制服の導入が本年度から始まった。濃紺のブレザー型で、LGBTQ(性的少数者)への配慮などからスラックスやスカートが選択できる。10日の加世田中の入学式には1年生126人の大多数が新しい制服で出席。学ラン(詰め襟)やセーラー服姿の在校生が出迎えた。

 市によると中学校の統一型制服は県内初。性別により制服が限定されない選択制を重視し、市全体で購入することで低価格化も図った。導入対象は加世田、万世、大笠の3中学は1年生計195人。前中後期の3ブロックに分かれる義務教育学校は、中期が始まる5年生からで、金峰学園と坊津学園の5年生計71人。市全体では計266人となった。

 加世田中1年の出井美有さんは「急に大人になったみたいで新鮮。気持ちも新たにいろいろなことに挑戦したい」。スカートに加えスラックスも購入した母ひとみさん(51)は「多様性の時代。自分らしさを探して」とエールを送った。

 シャツは4色、リボン・ネクタイは5色から選べる。藤野義久校長は「個性豊かな生徒たちにふさわしい制服となった。組み合わせは自由だが、時と場を自分で考えながら着てほしい」と語った。

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