久地「日本理化学工業」 障害者のものづくり、顕彰 「しあわせ職場賞」に喜び 川崎市高津区

選考委員から盾を受け取る大山代表(右)

チョークをはじめとする文房具・事務用品の製造販売を行う地元企業「日本理化学工業株式会社」(高津区久地/大山隆久代表)が、先月、一般社団法人日本ファッション協会から表彰を受けた。同社社員の約7割を占める知的障害者のものづくりが高く評価されたもので、関係者は喜びに包まれている。

同社が受賞したのは、一般財団法人日本ファッション協会が行っている表彰事業「日本クリエイション大賞」の部門賞。製品、技術、芸術・文化活動、地域振興、環境、福祉などジャンルを問わずクリエイティブな視点で生活文化の向上に貢献し、次代を切り拓いた人物や事象などが表彰対象となる中、選考の末に今年度の「しあわせ職場賞」を受賞した。

環境づくりに尽力

区内久地に本社を構える「日本理化学工業株式会社」は、障害者の雇用に力を入れていることでも全国的に知られており現在は社員のおよそ7割を知的障害者が占めている。特に生産ラインは全員、こうしたハンデを抱える社員が担っており、1日7時間、自分のできる能力を最大限に発揮してものづくりに励んでいる。さらに定年(65歳)まで元気に働ける環境づくりにも尽力していることなどから今回、同賞のノミネートを受けた。

「幸せ」に高評価

今年度の「日本クリエイション大賞」には、各方面から推薦を受けた109件がエントリーし、3回の審議を経て大賞ならびに3件の部門賞を決定。同社は審査委員から「働く人がつくる『しあわせ』を感じ、(製品を)使う人もしあわせにする会社」という高い評価を受け「しあわせ職場賞」での受賞となった。

代表、感慨ひとしお

同社の従業員は、川崎と、北海道美唄市に構える2つの工場あわせて93人。そのうち60人以上が知的障害等を抱えながらチョークの製造作業などに従事している。入社前に3回の実習を行い、作業の適正などを見極めてから採用することで職場とのミスマッチをなくし、生産効率向上などに努めてきた大山代表は、今回の受賞に感慨もひとしおといった様子。「当社の理念やこれまで積み上げてきた障害者雇用を継続していくための工夫、私たちのものづくりの姿勢が評価され大変嬉しく思う」などと話し、喜びを表していた。

文房具製造などを手掛ける同社スタッフ

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